白戸圭一のアフリカ通信

成長する南ア経済 2006.1.3 援助に想う    2005.11.17
子育て        2006.2.10 大富豪の死    2005.10.5
「格差社会」の記事への反響から 2006.3.14   アフリカを知る意義2005.9.15
教育         2006.5.22  ジンバブエ問題 2005.8.1
アフリカ人の命   2006.7.5 犯罪概況     2005.6.2
憲法9条       2006.8.8   時間        2005.5.4
転機の南アフリカ  2006.12.12 アフリカ人の声  2005,3,31
   お菓子の話    2005,2,25
   腐敗        2005,1,28
   酒          2004,11,27
   南アフリカの医療2004,10,31

        
読者の皆様  

 毎日新聞のヨハネスブルク特派員をしている白戸圭一と申します。現在、南アフリカのヨハネスブルクに妻、子供2人と住んでいます。このたび縁あって「南アフリカのワインを飲む会」のホームページ上で、このような形で通信を執筆させていただく ことになりました。

 このホームページをご覧になっている方は、アフリカに何がしかの関心をお持ちの方が多いだろうと思います。私は90年代初頭に日本の大学院でアフリカ研究を専攻していましたが、その当時に比べると、アフリカへ関心を持つ日本人は確実に増えているという実感があります。  しかし、ご承知の通り、私が働いている日本のメディアでは、アフリカのニュースはまだまだ少ないのが現実です。少しでも多くの情報を発信したいと力を尽くしているつもりではありますが、現場の記者の力だけではどうにもならないこともあります。また、報道の絶対数の少なさだけではなく、内容にある種の偏りがあるという問題もあります。ニュースは圧倒的に紛争、エイズなどアフリカの暗い側面でしょ う。

 アフリカが山のような問題を抱えていることは事実ですが、当然のことながら 、アフリカ大陸の全域で紛争が行われているわけではなく、すべての人がエイズに感染しているわけでもありません。圧倒的に多くの人は私たち日本人と同じように家族を持ち、子育てに奔走し、職場で働き、農業を営み、笑ったり怒ったりしながら一人 の市 民として暮らしています。素晴らしい人間も駄目な人間もいます。それは当たり前のことです。しかし、偏った情報の中では、こうした「等身大のアフリカ人像」と いう のはなかなか想像しにくいのではないかと思います。

 特派員の日々の仕事の過程では、膨大な事象が「破棄」されていきます。世界の他 の地域で起きていることを眺め、日本社会全体のその時の関心事項を想像しながら 「これは記事を送っても掲載されないな」という判断を繰り返し、こうしてアフ リカ のニュースは「少なく偏った」ものになっていきます。その至らざるやの念は尽 きま せん。このホームページでは、そうして切り捨てられた諸々の事柄の中から、日本に住む人々が「私たちと同時代を生きる等身大のアフリカ人像」を感じることがで きそうな話を書いていきたいと考えています。メディアでは報道されないこと、報道 されても小さい記事、そして何よりこの大陸に生きる市井の人々の声や姿を織り交ぜながら続けたいと思います。
 なにより、本業の特派員業務を続けながらの通信です。他の新聞社もそうですが、 私も1人でサハラ砂漠以南のアフリカ48か国をカバーしています。通信と交通アクセスの悪い大陸ですから、日本で1日で終わることに何日も何週間も費やしていま す。 新聞紙面に載る記事が少なく働いていないように見えても、実は結構働いているのです(笑)。息長く続けるためにも、当面はひと月に一度くらいのペースで寄稿させていただきます。このホームページの性質上、南アフリカの話題に触れるよう努めますが、他のアフリカの国々のこと、また南アと他のアフリカの国々の関係なども織 り交ぜていくつもりです。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。