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よく使う材木について

トチ(栃)
昭雲の板絵に最もよく使われる材です
栃餅(とちもち)を作る実の採れる木です 盆、椀など器によく使われます
硬く彫りにくい木ですが 漆との相性もよく
縮杢(ちぢみもく)があれば漆(うるし)を塗れば杢が
美しく浮き上がって見えます
芯材はうすいピンク、辺材は白っぽい色です
普通の木と違い辺材部を主に使います
最近、高騰しているらしい・・・
マツ(松)(アカマツ)
マツは漆との相性がたいへん良いので 美しく透き通るような色合いになります
肥松(こえまつ)と呼ばれる 樹脂をたくさん含んだものは 
そのヤニが漆を塗りにくくしてしまうので 適当に肥えた材が良いのです
これも松くい虫という敵によって絶滅するのでしょうか・・・・
ケヤキ(欅)
近頃の高騰ですっかり手に入りにくくなってしまいました
塗装には 環孔材なので 導管の穴に目止めが必要です
ノミの刃を受け付けないほどの硬い 石欅と呼ばれるものもありますが
彫刻の為にあるのかと思うほど彫る感触の良い材もあります
以前 飛騨の古い農家の大黒柱の廃材を手に入れましたが
今では目にする事のないようなみごとなもので おどろきました
セン(栓)
北海道から仕入れました 20年以前の事です
直径が1mくらいの大木がたくさん送られてきました
現在ではなかなか大きなものが手に入りません
白い木ですが 漆を塗ると欅のようにも見えます
代用品のように言われた事もありますが
良いものは適度に硬く粘りもあり加工も容易で 仕上がりも美しく
優れた材木です

机、棚には
カエデ(楓) もよく使います
縮杢(ちぢみもく)があり硬く美しい木です
乾燥による狂いが生じることがありデパートの画廊にもって行くのは
たいへんです

クス(樟、楠)
なんといっても彫り易い木です
 同じ仲間の肉桂は桂皮(ケイヒ)、シナモンが採れる木です
もちろん樟脳の材料です 独特の匂いがあります
ものによってはすばらしい香りがするものもあります
キハダ(黄肌)
北海道ではシコロと呼びアイヌの木彫に使います
漢方の黄蘗(オウバク)はこの木の樹皮です
名前のとおり黄色の材です
指物にすると味が無いなどと言いますが
彫刻にするとけっこう良いと思います
イチイ(一位)
北海道ではオンコと呼びます 今ではたいへん貴重な木ですが
25年以上前大量に買い付けた残りで 彫刻を始めたころ練習に
たくさん使いました
もったいない事をしたかもしれません
神官の笏(しゃく)に使います
赤っぽい茶色で成長の遅さを物語る細かな年輪でたいへん美しい木です
作品にすると数年でツヤのある濃い色に変色し、まるで古色をつけたようです
スギ(杉)
日本を代表する木は杉だと思います
彫刻には向きませんが 一番あたたかさの感じられる木です
なんとかいろんなテクニックで最近は使えるようになりました
大きな木の赤い心材のみ使います 
カヤ(榧)
碁盤に使う木ですが 彫ってみるとその理由がわかります
何とも言えぬそのタッチ、碁石を置いたときその感触が
一番すばらしいのでしょう
それに欅よりも保存性が良いと言われます
その美しい黄みをおびた肌は仏像にすると 
なんだかありがたいようにも思われます
これはイチイの仲間ですが産地は宮崎が有名で南の木でしょうか
色もまったくイチイとは違いますね

ヒノキ(桧)
テレビで 人形を作る人が木曽桧でも木によっては
一割くらいしか使えるところがない
と言っていましたが 実際に使ってみるとその言葉が
おおげさでない事が良くわかりました
良い木でしたら彫り易く すばらしい香りがします

台湾のヒノキも使います30年以上前に手に入れたものです
樹齢はおそらく1000年を超える巨木です 
これももう二度と手に入りません
端材が少し残っています

ラオスヒノキの大きな板がもう2枚だけあります
これは台湾のものに近いですが 
ヒバに似た香りがして樹脂を多く含みます
たいへん貴重なものです

エンジュ(槐)
北海道のエンジュはよく、みやげもの屋でフクロウに使われています
褐色の風合いが美しく、辺材部の白い色もたくみに利用しています
これでもかと言うくらい細い枝まで大切にされています
クワ(桑)に似ていますが、クワよりは彫りやすく
同じように味わい深いものがあります
彫刻にたいへん適した材のひとつです
ホオ(朴)
ホオノキは最も加工しやすい木のひとつです
まな板にもしますが、版画を彫るにも最適です
初代昭雲はちいさな彫刻をホオでたくさん彫りました
  むかし、こたつやぐらがホオノキで作られていました
  おもちゃもありましたね
ただその緑色
が彫刻にしたとき好き嫌いのあるところです
ツゲ(柘)
本当に偶然に手に入れた
今使ってるツゲは中国雲南省産です
私の知るツゲはせいぜい直径5センチくらいですが
雲南省のツゲは30センチ以上の物もあります
今は輸入できないらしいのでたいへん貴重です
堅いようですが、根気と要領でこなせば
すばらしい彫刻になります
サクラ(桜)
サクラはバラ科の木ですから甘くて酸っぱい香りがします。乾燥による割れや狂いが大きいほうだと思います。よく乾いてしまうと硬く彫りにくい木ですがそれだけに味のある作品になります。彫りクズはとっておいてスモークのチップにしたり、ローストビーフを焼く時にオーブンの中に入れて香りつけができます。
スピーカーの箱に適していて、国産材としては最高の響きを持つ木だそうです。でもこれはかなり高くつきそうです。外材なら黒檀が音響的に良いそうですがこれは箱にするとなるととんでもない値段になりそうですね。それならばツゲも良いと思うのですが・・・一度作ってみようかな・・・・。


材木について本に書いてない事を中心に紹介します


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