赤魚って何ですか?


今回寄せられました質問は「赤魚(あかうお)」についてです。割とメジャーな魚なので、皆さんも一度は耳にする魚ではないのでしょうか。
いやしかしこの「赤魚」。なかなかに込み入った事情のある魚でして、定義も曖昧ですし、いや曖昧のなせる技で市場を席巻しているお魚でした。
当初赤魚の特性だけを調べていたのですが、調べていくうちに、日本における輸入魚の取り扱いが少しわかった次第です。
そんなことも含めまして相変わらず素人判断で文章を書いていきますので、間違ってたなど教えていただけると助かります。


魚介類の名称におけるガイドライン

まず赤魚に入る前に、法律について触れておきます。
平成11年にJAS法の改正がありました。かいつまんでいいますと、「生鮮食品には原産地を明記しなさい」といった内容です。具体的には魚屋さんで売っているアジには「三崎産や長崎産」といった産地を表示しなくてはいけないといった法律です。
法律ができる背景には、あいまいであった日本における魚の取り扱いがありました。これにはいろいろな問題があります。例えば、日本の魚は大きさによって呼び方が変わりますし(例:ブリなどの出世魚)、地方名はありますし(例:ズワイガニを越前ガニと言うとか)、海外の輸入魚はどうするんだとか(ここで「赤魚」登場です)。
法律はできたのですがl、それまで混沌(適当だった)としていた魚業界に明確な定義付けをおこなうといった、一見底なし沼に足をふみいれてしまったのです。

「あかうお」とは何か

では赤魚とはいったい何者なのでしょうか。お魚普及センター資料館(http://www.touoroshi.or.jp/fish2/fish2-18/fish2-18.html)にずばり回答が出ていました。題名もそのまま「あかうお」とは何か、です。これで私が調べる意味がなくなったのですが、せっかくなので引用します。
魚の外見ですが、googleやらヤフーやらで検索しますと写真がでていますのでそちらを参照ください。このページでも載せたいのですが、そのままコピーすると著作権の問題が出そうなので私が描いた絵をつけておきます。

※絵はアラスカメヌケです。

〈赤魚とは何か〉

以降引用が多くなります。結論をいいますと「いくつかの輸入のメヌケ類の流通上の名称」です。現在、「あかうお」と呼ばれているものは、アラスカメヌケ(北部北太平洋産)、モトアカウオおよびチヒロアカウオ(北部北大西洋産)の3種」だそうです。(お魚普及センター資料館様より抜粋)
次の引用
「あかうお」はもともと北太平洋のアラスカメヌケの別名でしたが、北大西洋産の近縁種も「あかうお」と呼ばれるようになりました。
こちらも尾笠名普及センター資料館様(http://shimura.moo.jp/osakana3/26.htm)のホームページより抜粋

以上のことより赤魚と呼ばれる魚には似た魚は結構いること。海外でそれらしき物が大量に見つかると赤魚という名前をつけて日本に輸入されること。こんなことがいえると思います。
では赤魚に似た魚とはどんなものがいるのでしょうか。私はこれを3つの魚にわけてみます。「メヌケ、アコウ、アコウダイ(※アコウ、アコウダイは場合によると1つに扱われるのかもしれません)」です。この3種結構似ている物でして、以後「アカウオ3兄弟」と呼びますが、その前にアカウオの歴史についてふれておきます。

〈赤魚の歴史〉

1970年くらいに、「赤魚」という魚が市場に新顔として現れたようです。その前は1965年くらいにアラスカメヌケとう名前で市場に出たようです。
弊社でも1970年には赤魚を使った商品を作っていたと聞きました。味がよく、色が赤いため冠婚葬祭などに使っていたそうです。そのときすでに赤魚という名前で流通していたそうです。こうして日本市場のニーズに見合って(味がよい、安いなど)どんどん出荷量が増えていったのでしょう。

〈メヌケって何〉

私の持っている本(図解・魚のさばき方)によりますと「メバルの一種で、体色が赤色を帯びている深海魚で、50cm位に成長する。深いところから急に水面に引き上げられると、水圧の急減で内臓や目が飛び出すので、この名がある」とあります。身は焼き物、煮物、鍋物、味噌汁、粕漬けなど。あらはコクのある出汁とれる。などと書いてあります。
一概に日本で漁獲される物は高級魚であり、うちの食卓には出たことがありません。

〈アコウって何〉

赤魚、メヌケを扱う時点でいろいろ似た魚がでてきまして少々混乱していますが、実はアコウという魚もいまして、この魚も赤魚に大変よく似た魚だそうです。地方ではいろんな名前で呼ばれています。例)アコオ(東京、三崎)、アコウダイ(東京)、アゴオ(秋田)、アカウオ(福島)。市場での評価はメヌケ、アコウダイよりは劣るそうです。※ポイント:すでに地方名が「アカウオ」になっています。
深海に住み、体調50cmから1mとなる朱色の魚です。身に水分が多いため煮る、焼くといった調理に向く。あらい、昆布じめなどの補方法で身を締めて生食するのもよい。味噌漬け、粕漬けにしてもよいそうです。アラスカ産のアラスカメヌケがアコウとして店頭に並ぶこともあるとも書いてありました。

〈アコウダイって何〉

ますます混乱してきましたが、このアコウダイも赤魚と混同されます。食材図鑑魚によりますと、アコウダイのアコウとはアカウオがなまった言い方だそうです。かなりの高級魚だと思います。一度だけおろしたことがあるのですが、切り身1枚が800円位だったようなが気がします。さらにカマと頭で2000円くらいだった気が…
地方名はアカウオ(富山)、アゴウ(秋田)、メヌケ(東北)

〈アカウオ3兄弟〉

私の勝手な造語「赤魚3兄弟」ですが、とかく「メヌケ、アコウ、アカウダイ」は似ています。素人目にはわかりません。さらに切り身にするともっとわかりません。私もわかりません。しかもみんな高級魚です。さらに地方名になりますと、あるところではメヌケがアコウダイだったり、アコウがアコウダイだったりして、アコウダイがメヌケだったりと統一されていません。高級なことをいいことに好き勝手やっている気がします。
何が言いたいか!それは、この辺の似た状況を利用しまして、例えばアコウダイ粕漬けとかいって、実はアラスカメヌケの切り身を利用していたり、メヌケ切り身とかいってアラスカメヌケを売ったりなど。こんなことがお店で起こっていまして、業を煮やした政府の人たちが平成11年のJAS法改正を行ったなのではと私は考えております。
この辺は別に赤魚だけの問題ではないんですけど。例を挙げるときりがありません。おなじみシシャモがカラフトシシャモだったり、ズワイガニが紅ズワイガニだっだり。

〈赤魚の栄養価〉

エネルギー 水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分
Kcal g g g g g
アラスカメヌケ 105 78.4 17.2 3.4 0.1 0.9
アコウダイ 93 79.8 16.8 2.3 0.1 1.0

五訂増補日本食品標準成分表より 100g中の栄養分析です

私の持っている分析表にはアラスカメヌケとアコウダイしかのっていませんでした。けれど、両者ともだいたい同じような値を指していますね。脂質などはもっとある物だと思ったのですが、少なめと言いますか結構淡泊上品な味のようです。
私個人としてはアラスカメヌケしか食べたことがないのですが、くせがなく食べやすい魚です。私は煮付けにするのが好きですが…

〈まとめ〉

結局、「赤魚とは何か」と聞かれましたら、赤いカサゴ類の魚。メヌケもアコウも赤魚もカサゴの親戚です。日本でとれる高級魚メヌケやアコウやアコウダイに似ている。今のところはベーリング海やアラスカ、北大西洋でとれるアラスカメヌケ(北部北太平洋産)、モトアカウオおよびチヒロアカウオ(北部北大西洋産)であるが、その近縁種も大量に見つかれば赤魚になる可能性が大いにある。身は上品淡泊な味。塩焼きや粕漬け、干物などに利用される。

このようなものが赤魚であると私は考えております。

〈参考文献〉

食材図鑑魚(永岡書店)
図解・魚のさばきかた
ホームページより
お魚普及センター資料館(http://www.touoroshi.or.jp/fish2/fish2-18/fish2-18.html)
お魚普及センター資料館(http://shimura.moo.jp/osakana3/26.htm)

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