私立西華学園入学について


俺、深山耕一は西華学園に通って、二年目の春を迎えた。
今まで特にこれといって、先を考えたことなどなかった。
ただ、実家をついで、いつかは神主になるんだろうなって。
今だって、いつもと変わらぬ日常が始まっただけだと思っていた。
ただ学年がひとつ上になって、教室が、クラスメイトが変わって――。


ずっと変わることなんてないと思っていた。
俺を取り巻く空間は、急に激変するわけでもなく、壊れるわけでもない。
隣にいる笑顔が、そう語っている。
"変わることのない世界"がここだと。
思い込みであったとしても、そうだと信じていたほうが楽だと思ってた。
その生活になれて、昔
"気がついたはずの思い"を……忘れてたんだ。


この世界には、
"魔法"と呼ばれる不思議な力がある。
そんな力を持つ人間はごく少数、知り合いにだって一人もいない。
俺みたいに平凡ではなく、最高の日常が待っているのかもしれない。
自分とは
"一生関係のない存在"だと……そう、思っていたのに。


俺とは、遠くはなれた場所で生活している人がいる。
同じ場所にあっても、天と地ほどにも差がある――
――……そう思ってた場所がある。
"一度そこで出会っていた"のに、そこでの思い出だから忘れていた。
けれど、触れてみて初めて気がつく。
……どうして俺はそこを
"避けるべき場所"だと感じていたのか?


長いようで短い日々。
ぼんやりと感じた思い、今の生活が心地よいという、心が欲した言葉。
「いつか、本当に笑顔で迎えられた」一年であればいいな、と思う。

いや、きっとそんな一年になる――予感を
"今ここで"見つけた

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