ゲームの著作権者を捜索
〜ファミコン20年の回顧展で〜


初めに

初めに、朝日新聞の2003年11月19日の朝刊の25面の文化総合欄(記者は西田氏)に、興味深い記事が載っていたので転載させて頂きます(詳しい文は次項以降参照)。

記事では、色々なメーカーやゲーム名が出て来ますし、ゲームアナリストの平林久和氏はファミコン必勝本の編集者のヒラ坊だったりして懐かしく、且つ面白く思うのですが、それ以上に一番興味深いのは、やはりゲームの著作権の話です。 …とは言っても、具体的に例えば民法の第何条とかは出て来ませんのでご安心下さい。

ゲームの著作権の話と言うとエミュレータなどをイメージされるかもしれませんが、当サイトの様に攻略サイトをやっている人にとって、著作権は気になると思いますので、ここに書かせて頂く事にしました(記事の内容はアプローチが違いますけど)。
「ゲーム画像やプログラムの解析、(私は書きませんが)ゲームのキャラのイラスト等はどうなのか?」と言う個別的な問題でも曖昧な所があります。また、「メーカーが倒産した場合はどうなるのか?」と言う疑問もあります(まあ、債権者の誰かが著作権を押さえているのは間違い無いと思いますけど…)。

そう言う話も含めて色々著作権について考える機会になればと思い、この記事を転載させて頂こうと思った訳です。

ゲームの著作権者 どこに?

任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)用ゲームの回顧録を開く東京都写真美術館(東京・恵比寿)が、ゲームの著作権者を捜している。
来場者に過去のゲームを体験してもらおうと、ファミコンのゲームを出した全メーカーに許諾を求めたところ、約100社のうち32社が音信不通になっていた。
ファミコンの登場から20年、文化として定着したゲームは、皮肉にも再利用が難しくなりつつある。

文化は誰のもの?

「レベルX」と名付けられた展覧会は、83年に発売が始まり、今年製造が中止されたファミコンを通して、テレビゲームを映像文化として振り返るのが目的だ。
約1200本の全ファミコンソフトを展示し、「ゲームは動かしてこそ」と135本については週替わりで実際に遊べるようにするという。

ソフトは大部分を任天堂が保存していたため確保できたが、ゲームの許可を得る手続きで壁にぶつかった。
ゲームを画面に映すのは著作権法での「上映」に当たり、著作権者の許諾が必要だ。
だが、栄枯盛衰の激しいゲーム業界では、肝心の権利者が誰なのか不明のケースが相次いだ。

都写真美術館が6月、権利者の確認を始めると、約100社のうち23社について所在がわからなくなっていた。
さらに9社に送った許諾書もあて先不明で戻ってきた。ゲーム数では156タイトルにもなる。

人気ロール・プレイング・ゲームだった「ヘラクレスの栄光」シリーズやアドベンチャーゲーム「探偵・神宮寺三郎」シリーズを出したデータイースト(東京)は、販売不振で6月に破産した。
破産管財人の弁護士は「ゲームの権利は譲渡交渉中なので、許諾は難しい」と話す。

白い学ラン(学生服)を着た「くにおくん」が闘う「熱血硬派くにおくん」シリーズで知られるテクノスジャパン、釣りシュミレーションの「ブラックバス」シリーズを出したホット・ビィも倒産。 「テトリス」のビーピーエスは、日本法人が既になく、海外法人のみだった。
いずれも当時は中堅以上の人気メーカーだった。

同美術館はコンピューターソフトウェア著作権協会(ACCS)と協力し、8月末からインターネットなどで情報を求めている。
だが、現在でも16社56タイトルについて、権利者が分からないままだ。

ブームの時期には、教科書出版社やガス会社まで参入した。
「高橋名人」の名で知られるハドソンの高橋利幸・営業課マネージャー(44)は「芸能界の『一発屋さん』と同じで、一本売り、分け前を分けて解散した会社も多かった」と振り返る。

倒産で権利の行方が分からなくなるケースも目立つ。
倒産した中堅ゲームメーカーの元社長(50代)は「知られたソフトなら債権者が権利を押さえるだろうが、それほどのソフトでなければ、忘れられてしまう。 経営者も、債権者に迷惑をかけたのに、数年後に権利は自分のものだとは言い出しにくい」。

コンピューターのプログラムに著作権が認められたのは、ファミコン発売3年後の86年。
ファミコン時代はゲームに著作権があるという意識自体が薄かったことも災いした、とACCSの担当者はみる。

素朴なドット絵を使ったファミコンのゲームは今、携帯電話のゲームなどに形を変えて復活している。

ゲームアナリストの平林久和さんは「公共で展示する場合は、著作権侵害の例外にすべきだ」と指摘した上で 「業界団体や企業が、自分たちが作ってきたゲームを文化として残す仕組みを作らないと、今後、著作権の散逸はますます進むだろう」と心配している。

日程

展覧会「レベルX」は2003年12月4日から2004年2月8日まで(月曜休館、祝日の場合は翌日)。250円。 電話03-3280-0099(美術館)。