ボークと反則投球

投手に対してボークや反則投球が宣告された場合の書き方。

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■ボークと反則投球

☆ポイント

 ボークとは投手だけを罰則対象にした反則プレーで、正しい投球や送球(牽制)を行わないことによって打者や走者を騙すことを防ぐためのルールです。ボークを大きく分けると「打者に対する投球時の反則」と「走者に対する牽制時の反則」の2種類あります。

●打者に対する投球時の反則
・投球動作を途中で止める
・投球板に触れている状態でボールを落とす
・投球板に触れずに投球【反則投球】
・打者が十分に構えていないのに投球【反則投球】
・規定されている投球動作(ワインドアップ・セットポジション)に反した投球【反則投球】
などがあります。ここで挙げた5個の例のうち、後ろ3つの『反則投球』と記したものが反則投球と呼ばれるプレーです。反則投球はボークの一部を表した名称です。「反則投球=ボーク」と思っている人がいますが違います。あくまでボークの一部です。

●走者に対する牽制時の反則
・投手板に触れた状態で、一塁への牽制偽投
・投手板に触れた状態で、自由な脚を牽制方向へ踏み出さずに牽制
・投手板に触れた状態で、走者のいない塁へ送球(走者の盗塁を刺そうとする場合は除く)
などです。投手板にさえ触れていなければ、牽制時にボークは発生しません(投手板に触れていなければ、投手は内野手扱いになるので)。

 ボークが発生した場合の処置ですが、「走者がいる場合」「走者がいない場合」によって大きく変わります。

●走者がいる場合
 ボークが発生すればボールデットになり、塁上の全ての走者に1つ進塁が与えられます。投球は無効ですので、投球カウントは付きませんし投球数にも数えません。例外としてボークの投球を打者が打った場合があります。打ったことによって「打者が出塁し、全ての走者が1つ以上進塁」すれば、打撃が有効になります(ボークは発生していないことに)。打者が出塁出来なかったり、全ての走者が1つ以上進塁出来なかった場合は打撃が無かったことになり、ボークの処置が取られます。
 また、ボーク発生時の投球や牽制球が暴投や悪送球になったり、捕球側が取り損なった場合、走者はボークによって与えられた1つの塁より先の塁へアウトを賭して進んでもかまいません。

●走者がいない場合
 走者がいない状態では「ボークが発生しない」ことになっています。なぜならば、ランナーがいなければ牽制は発生しませんので、牽制に関するボークはありえません。また、投球動作を途中で止めてしまった場合は再度投球動作をやり直し、投球動作中にボールを落としてしまった時はボールを拾ってやり直せ、ということです。これらの事を行っても「打者を騙す作用が無い」ので、投球をやり直すだけでペナルティーが無いのです。
 ただし、反則投球は打者を騙す作用がありますのでペナルティーとして「ボールカウント」が1つ増やされます。記録上はボークに含めず、投球数に数えます。この場合もこの投球を打者が打った時は打者が出塁すれば打撃が有効となり、出塁出来なければ打撃が無かったことになります。

 当サイトではボークを表す記号として「bk」という文字を使用しています。「bk」はボークの英語表記「balk」の略です。「ba」と略さず「bk」と略すのは、有声音を採用しただけです。大文字で「BK」と書きますと四球「B」・三振「K」と記号が重複しますので、あえて小文字で「bk」としています。


投球中にボークでランナー進塁

投球動作中にボーク

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「無死一塁。2番打者への3球目投球時にピッチャーはボークを宣告され、1塁走者は2塁へ進塁を認められた」

 1塁走者(1番打者)が2塁へ進めた要因は、ピッチャーのボークですので、右上枠にボークを表す「bk」と「’(タイミング記号)」を書きます。
 2番打者はカウント欄に「’(タイミング記号)」を書きます。


ボークの投球を打つもゴロ

ボークの投球を打ってゴロ

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「一死一塁。2番打者への2球目投球時にピッチャーはボークを宣告されたが、打者はその投球を打ちショートゴロ。併殺のタイミングで6−4−3とボールが渡ったが、審判はボークを採用し1塁走者を2塁へ進ませた」

 野手が併殺狙いで打球を捌きましたが、ボークの投球を打ってゴロやフライなどのアウトになった場合はボークが優先され、アウトは1つも成立しません。つまり、打撃は無かったことになります。
 1塁走者(1番打者)が2塁へ進めた要因は、ピッチャーのボークですので、右上枠にボークを表す「bk」と「’(タイミング記号)」を書きます。
 2番打者はカウント欄に「’(タイミング記号)」を書きます。ショートへのゴロや送球は一切書きません。
 同じようにボークの投球がストライクゾーンを通過したり、空振りやファールした場合も全て無効です。


ボークの投球を打ち、ヒット

ボークの投球を打ってヒット

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「無死一塁。2番打者への3球目投球時にピッチャーはボークを宣告されたが、打者はその投球を打ちセンター前ヒットに。1塁走者は2塁へ」

 ボークの処置ですと1塁走者は2塁へ進塁できるものの打者は出塁できません。しかし、ヒットならば走者の進塁だけでなく打者も出塁しますので、記録はボークではなくヒットになります。打撃結果がエラーや野選、死球の場合でも「全ての走者が進塁し、打者が出塁」という条件をクリアすれば、打撃が有効となります。
 1塁走者(1番打者)は2番打者の打撃によって2塁へ進めましたので右上枠に「丸2」を書きます。
 2番打者は右下枠にセンター前ヒットを表す「」「」「」を書きます。ボークに関する記入は一切しません。記録上はヒットで、ボークは起きていないことになります。


ボークの投球を打撃後、走塁死が発生

ボークの投球を打って走塁死発生

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「無死二塁。2番打者への3球目投球時にピッチャーはボークを宣告されたが、打者はその投球を打ちライト前ヒットに。2塁走者は3塁を回ってホームを狙うが、ライトからキャッチャーへ好送球が届きアウト」

 2塁走者が本塁で憤死しましたが「打者走者が出塁。全ての走者が1つ以上進塁」という条件をクリアしていますので、これらのプレーは全て有効になります。2塁走者のアウトはボークによる救済枠を超えた自己都合のアウトといった感じです。
 2塁走者(1番打者)は2番打者の打撃によって3塁へ進めましたので左上枠に「丸2」を書きます。左下枠にはアウトになった要因であるライトからキャッチャーへ送球を表す「9−2」を書き、これらは一連のプレーですので左上枠と左下枠を「継続線」で結びます。中心には「アウトカウント」を書きます。
 2番打者は右下枠にライト前ヒットを表す「」「」「」を書きます。ボークに関する記入は一切しません。記録上はヒットで、ボークは起きていないことになります。


牽制ボークで全てのランナーが進塁

牽制時にボーク

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「無死一三塁。3番打者への4球目前(3球目後)にピッチャーが1塁へ牽制球を投げるとボークが宣告された。3塁走者は生還、1塁走者は2塁への進塁が認められた」

 3塁走者(1番打者)が本塁へ進めた要因はピッチャーのボークですので、左下枠にボークを表す「bk」と「’’(タイミング記号)」を書きます。中心には得点を表す「」を書きます。
 1塁走者(2番打者)が2塁へ進めた要因もピッチャーのボークですので、右上枠にボークを表す「bk」と「’’(タイミング記号)」を書きます。
 3番打者はカウント欄に「’’(タイミング記号)」を書きます。


ボーク時の牽制が悪送球に

ボークの牽制が悪送球に

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「無死一塁。2番打者への3球目前(2球目後)にピッチャーが1塁へ牽制球を投げるとボークが宣告された。その牽制球が悪送球となり、ファールゾーンを転々としているのを見た1塁走者は一気に3塁まで進んだ」

 ボークによって走者は安全に1つ進塁出来ますが、自己責任によってもっと先の塁へ進んでもかまいません。逆に言えば、与えられた塁までは安全に進めますが、その塁を通り越した時点からアウトになる対象になります。
 1塁走者(1番打者)は2塁へはボークによって安全に進塁出来ましたので、右上枠にボークを表す「bk」と「’(タイミング記号)」を書きます。3塁へ進めた要因はピッチャーのファーストへの牽制悪送球ですので左上枠に「1E−3」を書きます。これらは一連のプレーですので右上枠と左上枠を「継続線」で結びます。
 2番打者はカウント欄に「’(タイミング記号)」を書きます。


隠し球でボーク

隠し球でボーク

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「1番打者がライト前ヒットを打ち無死一塁に。ここで守備側は隠し球を画策。ファーストがボールを隠し持っている状態で、ピッチャーは投球板近くでボールを持っているかのような仕草を行っていたら、この行為に対してボークが宣告され、1塁走者は2塁への進塁が認められた」

 隠し球行為の良し悪しは個々の判断に委ねますが(笑)、「隠し球」を実行中に投手が投手板近くに立つとボークになることもあります(ボールを持っていないクセに投球行為を真似るな!ということです)。
 一般的に隠し球は次打者への初球前に行われます。1番打者が1塁へ出塁したのはライト前ヒットが要因ですので、右下枠にライト前ヒットを表す「」「」「」を書きます。2塁へ進んだ要因はボークですので右上枠に「bk」を書きます。このヒットとボークは一連のプレーですので、右下枠と右上枠を「継続線」で結びます。「次打者へ投球する前=ヒットとボークが一連のプレー」ですので、ボーク記号にタイミング記号を付与する必要はありません。


反則投球

反則投球(走者無し)

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「無死走者無し。2球目時、打者が打者席内で十分に構えていない状態だったのにピッチャーは投球し、ド真ん中への投球だった(打者は見逃し)。審判はこの投球を反則投球と見なし、ピッチャーに注意を与えてボールカウントを1つ増やした」

 この例文のようなシチュエーションでの投球に対して審判が必ず反則投球を宣告するわけではありません。打者の遅延行為としてストライクにすることもあります。その辺は審判個人の判断基準が全てです。また、この例では走者無しの場面でしたので反則投球という扱いになりますが、走者が1人でもいればボークになります。
 ピッチャーの投球自体は見逃しストライクのようですが反則投球が宣告されましたので投球のコースなどに関係なく、ボールになります。この投球を空振りしてもファールを打ってもボールです。カウント欄にボールを表す「」を書きます。走者無しの場面での反則投球はボークではありませんので、記入するのはこれだけです。記録上もボークになりません。


反則投球を打ってゴロ

反則投球を打ってゴロ(走者無し)

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「二死走者無し。5球目時、打者が打者席内で十分に構えていない状態だったのにピッチャーが投球したので、打者は慌ててバッティングし、サードへのゴロだった。サードが1塁へ送球しアウトかと思ったが、審判はこの投球を反則投球と見なし、ピッチャーに注意を与えてボールカウントを1つ増やした。その結果、四球となったので打者は出塁した」

 上記「ボークの投球を打ってゴロ」と同じように、反則投球を打ってアウトになった場合は、打撃が無かったことになり、ボールカウントが1つ増えます。
 カウント欄にボールを表す「」を書きます。サードへゴロが転がったプレーは無かったことになりますので、一切書きません。そして反則投球によるボールによって四球になりましたので右下枠に四球を表す「」を書きます。


反則投球を打ち、ヒットに

反則投球を打ってヒット(走者無し)

《記録判断 ⇒ 審判
<例>
「一死走者無し。2球目時にピッチャーが投球板に触れずに投球したので審判は反則投球を宣告したが、打者はその投球を打ち、レフト前ヒットになった」

 上記「ボークの投球を打ってヒット」と同じように、反則投球を打って打者が出塁を果たせば、その打撃は有効となります。安打だけに限らず、エラーで出塁したり、反則投球が打者の体に当たって死球になった場合も有効です。
 記入は普通のヒットと同じです。右下枠にレフト前ヒットを表す「」「」「」を書きます。反則投球に関する記入は一切しません。記録上は普通のヒットです。

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