世界遺産とは


私たちが住む地球には、雄大な地形、多彩な動植物、古代人が残した壮大な遺跡など、人類と地球の歩みにとって
かけがえのない遺産が数多くあります。
それらは、過去から引き継がれてきた人類の宝物であり、今を共に生き、次代に引き継いでいくものです。
また、単にその遺産の形状や規模といった外観上のものだけでなく、修復・保存への取り組みや地域住民との歴史的な関係など、遺産とともに生きた人々の軌跡も含むものです。
さらに「世界遺産」は、全世界共通の財産という位置付けがあり、その保存を協力して実施することによって、国際協力関係を推し進める目的も有しています。
ユネスコでは世界遺産条約に基づき「顕著な普遍的価値(outstanding universal value)」を有するものを登録リストに掲載しています。その数は2001年12月現在で、文化遺産554、自然遺産144、複合遺産23の総計721が登録されています。



世界遺産条約とは


全世界に存在する自然遺産や文化遺産を国際的協力関係の基に保全していくことを目的とした条約で、1972年の第17回ユネスコ総会で採択されました。世界遺産の保全や申請・登録など諸活動の根幹をなすもので、@遺産の定義、A国際的保護への取り組み、B政府間委員会(世界遺産委員会)の活動、C保護基金の運用、D国際的援助の条件、E教育事業計画など8章38条からなります。
正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(Convention Concerning the Protection of the World Cultural and Natural Heritage)といいます。
批准国は2002年5月現在170ヶ国に及んでいます。
日本は1992年に批准、133ヶ国目の批准国です。



世界遺産の分類


「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の3つに分類されます。また自然破壊や建造物の損失が懸念されている遺産については「危機リスト」という別の台帳を設け、「危機にさらされている世界遺産」として早急な保全対策を求めています。
文化遺産」は普遍的な価値を持つ記念工作物、建造物、遺跡をいいます。
自然遺産」は観賞上、学術上、保存上顕著な普遍的価値を有している地形や生物、景観などを含む地域を指します。
複合遺産」はこの2つの要素を域内に持つものです。



世界遺産の認定基準

遺産の分類 認定基準 代表的な世界遺産の例
文化遺産 @独特の芸術的成果を示すもの ローマ歴史地区
法隆寺地域の建造物
姫路城
厳島神社など
A建築や都市計画・景観に大きな影響を及ぼしたもの モロッコのフェス旧市街
法隆寺地域の建造物
京都文化財
厳島神社など
B消滅した文明や文化的伝統の証拠を示すもの 古都アユタヤなど
Cある様式の建築物あるいは景観のすぐれた見本となるもの ロシアのサンクト・ペテルブルグ歴史地区と関連建造物群、
法隆寺地域の建造物、
姫路城
京都文化財、
白川郷・五箇山合掌造り集落
厳島神社など
D単一あるいは複数の文化を代表する伝統的な集落、土地利用を示すもの ラパ・ヌイ国立公園モアイ像群
白川郷・五箇山合掌造り集落など
E顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術に関するもの ナスカ・フマナ地上絵
法隆寺地域の建造物
原爆ドーム
厳島神社など
自然遺産 @生命進化の記録、重要な地質学的・地形形成過程あるいは重要な地形学的・自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本であること イエローストーン国立公園など
A陸上、淡水域、沿岸、海洋の生態系や生物群集の進化発展において、重要な進行中の生態学的(生物学的)過程を代表する顕著な例であること 白神山地
屋久島など
B類例を見ない美しさ、または、美観的にみてすぐれた自然現象あるいは地域を含んでいること 屋久島など
C学術的、保全的視点からみて、すぐれて普遍的価値を持ち、絶滅のおそれのある種を含む野生状態における生物の多様性の保全にとって、特に重要な自然生息成育地が含まれていること ベリーズ・バリア・リーフ保護区など
複合遺産 文化遺産と自然遺産の両方の基準項目が1つ以上ある ペルーのマチュ・ピチュ歴史保護区