老齢基礎年金額の計算

原則的な老齢基礎年金の額の計算

 平成22年度の老齢基礎年金の満額は年額792,100円です。
これはあくまでも、20歳から60歳の40年間全て保険料を納めた方が65歳から受給できる額です。
40年(480月)を少しでも下回るとその分減額されます。

 しかし、ここでも経過措置がありまして、国民年金制度発足時点(昭和36年4月1日)で20歳以上であった方は、それ以降(60歳まで)保険料を納付しても40年に満たないことになります。制度の都合で40年間支払うことができなかったのに満額受給できないのはかわいそうだということで「加入可能年数(月数)」を設け、生年月日によりその年数(月数)納付すれば満額受給できるように配慮しました。

 また、免除期間・多段階免除等の期間がある方を含め老齢基礎年金の計算式は下記のようになります。
多段階免除期間を有する方については、国庫負担の絡みもあり、相当以上に複雑怪奇な計算式となります。計算式にて年金額を試算するよりも、年金定期便で確認されることをお勧めします。
*上記の算式に用いられる3/4納付の月数は480月−保険料を納めた月数を限度とします。
*上記の算式に用いられる1/2納付の月数は480月から保険料を納めた月数及び3/4納付の月数を引いた月数を限度とします。
*上記の算式に用いられる1/4納付の月数は480月から保険料を納めた月数、3/4納付の月数並びに1/2納付の月数を合算した月数を引いた月数を限度とします。
*上記の算式に用いられる全額免除期間の月数は480月から保険料を納めた月数、3/4納付の月数、1/2納付の月数並びに1/4納付の月数をを合算した月数を引いた月数を限度とします。
・・・と、ややこしいことが書きましたが、つまり納めてない期間より、より多く納めた期間を額に反映させるということです。

ややこしいついでにもう一つ。
実は上の計算式は平成21年4月分以降のもの。
平成21年3月分までは、全額免除は6分の2、4分の1納付は6分の3、半額納付は6分の4、4分の3納付は6分の5にて、それぞれ計算されます。
・・・というのも、平成21年度より国庫負担が1/3から1/2に引き上げられました。
そのため、例えば全額免除の方については平成21年3月分までは1/3が額に反映。平成21年4月以降は1/2が反映。





改定の基準として・・・
1、
物価変動率>1>名目手取賃金変動率⇒⇒⇒変動ナシ
2、
1≧物価変動率>名目手取賃金変動率⇒⇒⇒物価変動率
3、
物価変動率>名目手取賃金変動率≧1⇒⇒⇒名目手取賃金変動率


成19年度については、改定率が「0.997」、物変動率が「+0,3%(1.003)」、名目手取賃金変動率が「0(1.000変動ナシ)」ということになりました。  
・・・ということで、⇒この結果、平成19年度価格は平成18年度価格と同額となりました。

上の斜体の部分は平成19年度の部分です。参考のために残しておきます。。



平成20年度に関しては、
物価指数「0.0%」名目手取賃金変動率が「−0.4%」ということから、平成19年度と同額となりました。


平成22年度の年金額の場合、平成21年の物価水準は対前年比では下落したものの、法律で、これを下回らなければ引き下げない基準としている平成17年の水準と比較すれば、依然として0.3%上回っている状況にあり、法律の規定に基づき、平成22年度の年金額は据置きとなる


注)上の算式中の792,100円・・・実はこれは、物価スライド特例額なんです。
これとは別に法定価格というものがあります。⇒これが世間を騒がせたマクロ経済スライドが適用される額なんです。
「792,100円」と法定価格を比べた場合に、792,100円のほうが高いために、物価スライド特例額が適用されることになります。さらに、平成18年度の価格は平成17年の年平均の全国消費者物価指数が前年比0.3%下落となったために、この額は平成17年度価格とに比べ、0.3%減額されています。
平成19年度は、名目手取賃金変動率(変動ナシ)・・・・ということなので、結果的に平成18年度価格と同額となりました。
平成17年度価格・794,500円×0.997(0.3%マイナス)=792,100円ということです。
「マクロ経済スライド」と法定価格については、下を参照。。
大正15.4.2〜昭和2.4.1 25年 昭和6.4.2〜昭和7.4.1 30年 昭和11.4.2〜昭和12.4.1 35年
昭和2.4.2〜昭和3.4.1 26年 昭和7.4.2〜昭和8.4.1 31年 昭和12.4.2〜昭和13.4.1 36年
昭和3.4.2〜昭和4.4.1 27年 昭和8.4.2〜昭和9.4.1 32年 昭和13.4.2〜昭和14.4.1 37年
昭和4.4.2〜昭和5.4.1 28年 昭和9.4.2〜昭和10.4.1 33年 昭和14.4.2〜昭和15.4.1 38年
昭和5.4.2〜昭和6.4.1 29年 昭和10.4.2〜昭和11.4.1 34年 昭和15.4.2〜昭和16.4.1 39年

加入可能年数

マクロ経済スライド

「マクロ経済スライド」とは、年金額の改定にマクロ経済の視点を取り入れて、少子化による労働力人口の減少や平均余命の延びを年金額に反映させる仕組みです。

 現行では、新規裁定時に1人当たりの平均賃金の上昇率に合わせ昔の賃金に再評価率を用いて現在の水準に直し(賃金スライド)、また、毎年度物価の変動によって年金額を改定(物価スライド)しています。

 しかし、「マクロ経済スライド」が導入されると平均賃金の上昇率や物価の変動率から労働力人口の減少率や平均余命の延び(受給者数の増加)を控除し、年金額を改定することになります。⇒その時々の現役世代の賃金水準の上昇や物価の上昇をそのまま額に反映させずに年金額の伸びを抑制させることから、年金の価値が下がることになります。
年金額の伸び率を抑制することで現在の給付水準(モデル世帯:夫40年厚年40年・妻専業主婦で59.3%)を低下(モデル世帯で50.2%になるまで)させます。平成35年度まで行えば50.2%になるそうです。

 具体的には
賃金スライドについては・・・・・・・・・「一人当たり手取り賃金の伸び率ースライド調整率」
物価スライドについては・・・・・・・・・「物価の伸び率ースライド調整率」

※スライド調整率とは:公的年金の支え手(被保険者)の減少率(約0.6%)+平均余命の伸びを勘案した率(約0.3%)
=0.9%⇒平成25年までは平均年0.9%を見込んでいる。
※賃金(もしくは物価)の伸び率が0.9%未満である場合は年金額を0.9%以上のマイナス改定せず、賃金(もしくは物価)が下落した場合も賃金(もしくは物価)以上のマイナス改定は行わないそうです。

・・・と、まぁややこしいことなんですが、もう少しややこしい話を・・・・

 平成16年度の価格(794,500円)は、平成12年度・平成13年度・平成14年度の物価スライド下落率を加味しなかった価格なのです。平成11年度に物価が下落したために通常だと平成12年度の年金額は減額改定されるはずでしたが、平成12年度〜平成14年度の年金額は減額されませんでした。
 その3年間の累積率(−1.7%)を解消させたもの(反映させたもの)が法定価格となります。
すなわち、
804,200円×0.971=780,900円 ⇒  780.900円×改定率    ⇒これが法定価格です。
0.971⇒−0.3(H12年度)−0.7(H13年度)−0.7(H14年度)−0.9(H15年度)−0.3(H16年度)=−2.9
改定率というのが、マクロ経済スライドが適用された率です。
平成20年度の改定率については、0.997とされていますので、上の式にあてはめると・・・・

平成20年度の法定価格は・・・・780,900円×0.997=778,600円となります。


ちなみに、
804,200円×0.985=792,100円   ⇒これが物価スライド特例額
0.985⇒−0.9(H15年度)−0.3(H16年度)ー0.3(H18年度)−0(H19年度)-0(H20年度)=−1.5
さらに、0.985は平成15年度の率−0.9と平成16年度のー0.3そして平成17年度の物価スライド率が「1.000」だったために、据え置き、さらに平成18年度ー0.3あわせてー1.5、さらに平成19年度は物価が上昇しましたが、この額については、物価が上昇した場合は前年度の率を据え置きにするために増えることはありません・・・、20年度は物価上昇なしということで・・・・⇒つまり、平成16年度の価格が基準になります。


当分は、この2つの額を比べて高いほうを支給するわけです。
マクロ経済スライドは、給付を抑制するといえども、物価が上昇すれば額も上昇します。反対に、特例額は物価が上昇した場合は、前年度の率を据え置きます。つまり、いずれは法定価格のほうが高くなります。
その時点で、法定価格が支給されることになります。

・・・もう一つ触れておかなければならないことがあります。
この特例額と法定額の関係は、他の年金額に関係しています。加給年金などです。つまり、加給年金も法定価格と特例額があるのです。しかし、わざわざ触れませんので・・・・。。ほんとにややこし過ぎます。。
まぁ、サラァ〜〜〜と読み流してください。。


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