これでいいのか?年金論議

国民年金保険料の2007年度納付率が発表され、2年連続で低下していることが明らかになったうえに、社会保険庁が掲げていた目標には遠く及ばないことがわかりました。


先日もマイクロフィルム化された記録のサンプル調査で、約1.4%がコンピュータ上のデータと不一致であることが発表され、一段と自主確認が必要になってきてはいるものの、確認する手段として全受給者・全被保険者に発送されている「ねんきん特別便」それ自体見方がわかりにくいという批判もあります。
社会保険庁の不祥事から年金記録漏れ問題・・・国民の年金不信は増すばかりで失墜しているともいえます。


そこで拍車がかかっているのが「年金論議」です。
年金制度そのものを改革し、安心・持続できる制度を設計する議論があらゆる場面で活発に行われています。


「保険料方式ではもたない・・・税方式に転換しないと・・・」
「財源は、消費税だ・・・」

「最低補償年金を創設します!」



各党の政治家だけでなく、財界も労働者団体も・・・報道各社も独自案を発表し、今の制度ではもたないことを主張しています。
議論をかさねること自体、大事なことで将来に向けて安心・持続可能な制度を作ってほしいと思います。


ただ、将来に向けての制度を議論するだけでいいのでしょうか?


国民年金保険料の納付率が低下していますが、毎月経過するごとに納付者と未納者では年金額に差が生まれています。滞納されておられる方はそのことを自覚されておられるのでしょうか?将来の年金制度が税方式になったり最低補償年金制度が設けられたとしても、それは年金制度が今の制度から完全に移行してからの話です。



たとえば、現在60歳になる目前の自営業者で、20歳から40年近く保険料を納めてきた方とまったく保険料を納めてこなかった方がおられた場合、税方式になれば両名とも65歳から同じ額の老齢基礎年金が受給できるようになるのでしょうか?
それはないでしょう。


つまり、制度が変更されたとしてもこれまで積み重ねた保険料納付歴は加味されるということです。



となれば、
消えた年金問題と保険料納付(・・・制度に対する不信感)は別物として考えるべきだと私は思うのです。もちろん、消えた年金問題は解決してもらわないと困ります。


社労士としてこれまで、多くの方の年金相談に応じてまいりました。
年金を受給されておられる方のなかで、「年金は要らない」とおっしゃる方はおられません。後期高齢者医療制度で年金天引きが問題になったことも、裏を返せば高齢者にとってはそれだけ年金が大事なものであるということです。

高齢になり、働いて収入を得ることができない方の大事な大事な収入源・・・・これが年金です。

「もらえるかわからない・・」と保険料を納めない人もいるようですが、その人たちは将来設計される年金制度にも加入しないつもりなのでしょうか?「年金はいらない」と考えておられるのでしょうか?
国の記録管理に不安があればそれに反論できるように、納付した証拠を保存しておくべきです。



それから、政治家並びに報道各社・・・、将来の制度に対する議論は大切ですが、その前に全被保険者が保険料を納めるように仕向けることのほうが大事じゃないですか?
今の制度に保険料を納付しない方も含めて全被保険者(将来、受給される方すべて)に、一律の生活できるだけの年金を保障する制度を作るのであれば、構いませんが・・・・。



「なんでこんなややこしねん??」に通ずるものがあるのですが、年金制度は変更しようとすれば必ず暫定措置が必要になるのです。20歳以上の方は全て、今現在の年金制度の中にいます。途中で制度を変更しようとすれば、これまで制度のなかでどのような行動をしてきたか(保険料を納付したのか・・・、滞納したのか・・・)が新しい制度にも反映されることになるのです。


将来の年金制度の議論を重ねることは大事ですが、今の被保険者がそのまま将来の被保険者・受給権者になるのです。それをキチンと説明しないと・・・。


年金のこと少しだけ考えてみる
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