年金ってどんなもんや??

 社会保険の中で最もわかりにくいのが「年金」です。
保険給付がされる前提として被保険者が保険事故に遭遇しなければ保険給付はされません。

 社会保険でいう「保険事故」とは、前に触れた、全国民に起こりうるとして国が想定しているリスクです。
「保険事故」によってそれぞれの「保険制度」が存在します。
 
病気・ケガ 健康保険・国民健康保険
老齢・障害・死亡 国民年金・厚生年金保険
介護 介護保険
失業 雇用保険
業務災害・通勤災害 労働者災害補償保険


 「病気」という保険事故に遭遇すれば「健康保険」もしくは「国民健康保険」から給付がされますし、介護が必要な状態になれば「介護保険」から給付がなされます。



 しかし、「年金保険」となればその保険事故は「老齢・障害・死亡」となります。「障害・死亡」はともかく「老齢」が保険事故とは少々分かりにくいのではないでしょうか?



 「老齢=歳をとる=長生きをする」ということになるのです。

 保険制度はリスクを負ってしまった被保険者に対して保険給付をするものです。社会保険の中の「年金制度」を考える場合は「長生きする」ということはリスクを負ってしまうこととなるのです。
しかし、実際は長生きすることは良いことですし、誰でも長生きしたいと思っています。
実はその点が国と国民との年金制度に対しての認識(考え方・捉え方)の違いであり、その違いがただでさえ複雑な年金制度を一段と分かりにくくしているのではないかと考えます。


 では、「長生きする」ということが何故リスクなのでしょうか?


 厚生労働省は、老後については現役世代と大きく変わらない生活のできる収入の確保が必要ということを前提に以下の3つの不確定要素を挙げて年金制度の必要性を説いています。

@老後の余命期間は予測が不可能である。
65歳から老後と考えた場合、平均寿命を80歳と考えれば15年であるが、90歳・100歳まで元気な方もおられ、反対に数年で他界される方もおられるように寿命は人によって違い、予測不可能。

A経済社会の変動は予測不可能。
現役時代から老後までの長い期間に起こるであろう賃金や物価の上昇などの経済社会変動は、大きく、かつ予測不可能。


B
老後を迎える前に、障害を負う可能性、死亡して遺族が残される可能性も皆無ではない。
(Bは障害・遺族年金に対する不確定要素です)



 つまり、@・Aのような不確定要素があるために自分で老後のために備える(貯蓄する)としてもどれくらいの備えが必要なるか予測するのは極めてむずかしく、予測を誤り長生きしてしまった(表現が悪くすいません。。)もしくは考えていた以上に物価の変動が激しく貨幣価値が大きく変わってしまった等、これらを歳をとること(老齢・長生き)のリスク(保険事故)と捉えて一定の要件を満たした被保険者であったものに給付を行う。。これが、社会保険のいう年金制度です。


 多くの人は年金は積立金であり、私たちが納める保険料は個別に管理・運営され自分の老後に受け取ると考えておられたようです。それでは民間の保険会社の年金保険(私的年金)と同じになってしまいます。かといって自分が支払った保険料の分は最低でも給付として受け取りたいものです。

 ですが、支払った保険料の額に係わらず長生きした人(リスクを負ってしまった人)ほど年金給付の受給する総額は高くなり、自分の支払った保険料以上の給付を受けることができる確率も高くなるという現実があります。それは今の年金制度が上の不確定要素を排除するためのものであるからです。
(ただ、亡くなるまでの総受給額に不満があるというよりも、毎年の年金額に不満がある人の方が多いでしょうが・・・・)

 年金制度に対する考え方についてどちらが正しいということは私にはわかりませんが、このように制度の中にいる私達国民とその制度を設計している国側との認識の違いがあることが、今の年金制度に対しての不信感につながり制度自体をますます複雑にさせている気がします。

 
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