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藤田幸久式モデリングマニュアル 雑多えんたあていめんと。
本書は模型(特にカーモデル)製作意欲増進要素を豊富に含んでおりますので、体脂肪(積んどくキット)が多いモデラーの方に適しています。(カバー裏記載の説明より)


2002年2月号より月刊モデルグラフィックス(以下MG誌)連載の藤田幸久先生のイラストコラム「雑多えんたあていめんと。」が、2009年4月号をもって終了しました。

7年間も楽しませていただいた藤田先生の功績を称えまして、以前「ホンネの日記」に載せていた「藤田幸久式モデリングマニュアル 雑多えんたあていめんと。」のレビュー記事を、若干の手直しを行ないましてこのツールレビューの書籍のカテゴリに再掲載します。

この本は製作の直接的な手引書ではありませんが、上記のキャッチコピーにもあるように読んでると「いっちょやってみよう!」というヤル気をムクムクと起こさせるメンタル面への作用が大きく、模型ツールとしての価値が十分にあるものと個人的に思います。



今の若い人は知らないかもしれないけど、藤田幸久(ふじたゆきひさ)先生は元タミヤ社員の漫画家・現イラストレーターで、80年代に同社のマスコットキャラ「プラモのモ子ちゃん」を描いてた事で有名。

コミカルで可愛らしい絵柄、しかもメカや模型の描写が鋭いのが魅力で、そのせいか藤田先生の描くSWEETの飛行機プラモデルのコミックパッケージ版は通常版の倍ほど売れているとかいないとかいう話も聞きます。(種類も今やこっちのほうが多くなってしまった)
そんなわけで昔から模型への造詣がとても深い漫画家さんであり私も以前からファンでした。


本誌が発行されたのは2007年9月。
MG誌掲載第1回目である2002年2月号のVol,1から2007年7月号のVol.81までが載せられています。「雑多」の最終回はVol.89なので、一部の未掲載回を合わせて全話のうち8〜9割がこれにまとめられている事になります。


コンテンツは、
  • カーモデルの楽しみ方(特別企画カラーページ)
  • 仕事場(藤田幸久邸)訪問
  • 雑多えんたあていめんと増補改訂版(MG誌掲載版+新作ページ)
  • 藤田幸久 大アンケート
  • 特別寄稿「藤田幸久さんのこと」 ふくやまけいこ
から構成されており、割合ではほとんどが「雑多」増補改訂版です。



巻頭カラー特集の「カーモデルの楽しみ方」では、キット選ぶ時の失敗しないポイントやディテールアップ術、同一車種を色違いやメーカー違いで集めたり、フィギュアと組み合わせるといった楽しみ方を、藤田先生の模型作品と新作カラーイラストを使って解説しています。

これらの模型の多くはかつて「雑多」の中でイラストとして登場した物の実物でして、私はフィギュア以外で先生の作られた作品を初めて見ました。やっぱりお上手です。



メインコンテンツである「雑多えんたあていめんと。増補改訂版」は、毎回ピックアップした模型をイラストでさまざまな方向から解説する構成です。

掲載の順番は、MG誌の連載順ではなく各カテゴリごとに分類して再編されています。そしてそれらのうち約半分くらいはカーモデルで、残りの半分をバイク、飛行機、フィギュア、ホビーイベントなどで分け合っており、この偏り具合にご本人の趣味が出てるなあと思いました。(笑)


カテゴリ 内容
カーモデル パトライト / パトライト&パトカー / フェアレディ240ZGパトカー / フェアレディ240ZG / フェアレディZ432(各種) / フェアレディZ432R / フェアレディ2000(各種) / トヨタスポーツ800(各種) / マツダコスモスポーツ(各種) / トヨタセリカ1600GT(各種) / 日産ガゼール(各種) / 三菱コルトギャランGTO-MR / いすゞベレット1600GTR / いすゞ117クーペ(ハンドメイド) / いすゞ117クーペ(前期型) / いすゞ117クーペ(後期型) / いすゞピアッツァ / マツダサバンナRX-7初代(各種) / マツダロードスター三代目 / 童友社ノスタルジックヒーローズ / 今井科学スケールカーモデル / 気になるアイテム今・昔 / モーターライズアクション / こんなキット欲しいっス!! / 藤田幸久 放置キットの部屋 / クライスラーインペリアル’57(1) / クライスラーインペリアル’57(2) / クライスラーインペリアル’59/300C’57 / アストンマーチンDB5(各種) / ランボルギーニマルツァル / ランボルギーニミウラSV / ニュー・ミニクーパ / アルピーヌ・ルノーA310
バイクモデル ホンダモンキー / ミサト バイク 〜ホンダモンキー改造〜 / ホンダモトコンポ(各種) / 1/24スケールミニバイク / バイク&フィギュア(1) / バイク&フィギュア(2) / プロター バイクモデル
飛行機モデル マッキMC.200(1) / マッキMC.200(2) / GM-FM2ワイルドキャット / 架空戦記シリーズ / 零戦21型 / 零戦21型ペーパークラフト / F-86Fセイバー / ハリアー攻撃機
AFV & 艦船モデル ワールドタンクミュージアム〜第3弾〜 / ワールドタンクミュージアム〜第4弾〜 / しんかい6500(各種)
イベント&フィギュア WFレポート2000(夏) / 20回記念「美衣奈」設定 / WFレポート2002(夏) / WF直前 藤田オリジナルフィギュア / WFレポート2003(夏) / WFレポート2004(冬) / WFレポート2004(夏) / WFレポート2005(冬) / WFレポート2005(夏) / WFレポート2006(冬) / WFレポート2006(夏) / WF準備妄想スペシャル WFレポート2007(冬) / 静岡ホビーショー2003(春) / 静岡ホビーショー2005(春) / [EVA]デフォルメシリーズ / [EVA]星座シリーズ / [EVA]アスカ レジンキット/ [EVA]レイスペシャル / ドルフィープラス / 人形改造〜美少女フィギュア遍歴〜
※(各種)=各メーカーから出てる同車種。クロスレビューされています。



また「増補改訂版」というくらいなので、本誌用に新たに描き下ろされたページもいくつか存在します。

この画像はフジミ1/24いすゞ117クーペのページですが、右がMG誌に掲載されていた同車前期型の解説で左が本誌用に新しく描き起こされた後期型の解説。

実にわかりやすくそして見ていて楽しいイラストでキットの特徴やディテールアップポイント、そして開発秘話などが解説されています。

クルマに限らず他のページも軒並みこんなノリでして、この人の模型への偏愛ぶりは真性です。よくこんな細かいところまできっちりチェックしてるものだと心底感心しました。組立図にしても正直キットのよりこっち見たほうが良いんじゃないかと・・・

私はフジミの三代目ロードスターの回を連載時に読んで速攻でキット買いに走りました。それくらい説得力アリ。



新作ページが加えられてる一方で、版権物を取扱った回などは大人の事情で一部を描き変えてあったり、もしくは残念ながら収録自体されていなかったりします。手持ちのMG誌バックナンバーと比べると私が気付いただけでもわりと見つかりました。こういうのを探すのもマニアな楽しみ方のひとつかと。


2006年11月号掲載のWF夏レポート。
ページ下半分は藤田先生が会場で購入されたガレキフィギュアのレポートになってますが・・・
本誌では「雑多」ホスト役の木ノ枝美衣奈ちゃんのガレキフィギュアレポートに差し替えられています。これもある意味新作ページかも。



この人のコラムの魅力は、キットレビューや製作のハウツーとしての性格を持ちながらそれだけにとどまらず、「こんな作り方をしたら面白いんじゃね?」とか、「こんな集め方も楽しいよ。」「こんな飾り方もあるよ。」といったご自身流の模型の楽しみ方を実践と妄想を織り交ぜて色んな方向から提案してる点です。そしてそれをカワイくてキレイなイラストで見せてくれるのでとっつきやすい。

私もここからは今までにたくさんのインスピレーションをもらっています。わかりやすい例を挙げるとこのサイトに載せてるSWEET 1/144 FM-2とワールドタンクミュージアム(以下WTM)のキングタイガー・阪神タイガースVバージョン(現在は削除)は、以下の回をパクッたヒントにしたものです。


SWEET 1/144 FM-2に黒猫ラッキー君を乗せたのは右ページのFM-2のコラムから。そしてモトタグに牽引させたのは左ページのネコフィギュアの乗ったテッケンクラード&ホルテンHo299と、タミヤのコルセアフォールドウィングが元ネタでした。 キングタイガーの阪神タイガースバージョン(今なら痛戦車と呼ぶのかな?)は、WTMに動物キャラを乗せてみようコラムが元ネタです。てかキングタイガーにネコが乗ってる作例モロにあるし!(爆) 私のはこれをトラッキーに変えただけです。



95ページで2730円(税込)。正直なところページ数から考えると高いな〜と思ったのですが、実際はA4版という大型本サイズでそこにビッシリと描き込まれていますので、かなり読み応えがあって私は値段以上に楽しめました。てかそれ以前に藤田教信者ですし。(笑)

読んでいると、買ってきたばかりのキットのパーツをチェックしながらどんな風に作ろうかと妄想するあの至福の時と同じ感情が沸いてくる・・・そんな気分にさせてくれる本です。萌え絵に抵抗ある人もいると思いますが、それを読まない理由にするにはちょっと勿体無いかなという感じ。



巻末の奥付けにはこんな名言が・・・




そしてまた積みが増えると。





藤田幸久式モデリングマニュアル―雑多えんたあていめんと。 【Amazon】
(2009/04/05)

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