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GSIクレオス Mr. ラインチゼル
11月下旬に発売されたGSIクレオスのスジボリ用新ツール、「Mr.ラインチゼル」を使ってみた感想です。



メーカー説明によるMr.ラインチゼルの特徴は、
  • 刃の先端部が凸形状になっているので、バリが出ずに綺麗なエッジが出る。
  • 付属の刃は0.3mm。取り外して交換可能。
  • 0.2mmの替え刃も用意されている。
こんなところですね。

定価2310円とそれなりの価格ですから「安物買いの・・・」ではないことを期待しての実戦投入です。
経験上、ピンセットと刃物に関して安物は十中八九ダメですから。




外観

写真では一見プラスチックのように見えますが、実は黒塗装が施されたアルミニウム製でとにかく軽くて握りやすいです。

前記どおり0.3mmの刃が一本付いています。
ビニールチューブですが刃先保護用のキャップがかぶせてあり、刃物でありながらこういう配慮のない製品もわりとよくあるので、ちょっとした事ですがここは私的に高ポイントでした。

GSI Creosのロゴの印刷面は平らに処理されており、これはころがり防止のためかと思われます。ペン型の刃物はころがって机の上から落ちたときに刃先が破損したり、足に刺さったりする事故が起きる事もままありますので、ここにも安全面への配慮が伺えます。

この平ら面は刃を立てたときにちょうど真上に来る位置関係にあるので、けがくときに親指や人差し指で軸を押さえやすい形状になっています。



刃先はこのように鎌形になっており、まんま超小型のPカッターです。
焼入れ硬化処理が施されていて耐久性も考慮されているようで、説明書によると耐水ペーパーで研ぐことも可能との事。

軸への差込み側は平らに処理された面があって差込みには方向性があります。




Mr.ラインチゼルの取扱説明書です。(画像をクリックで拡大)

けがくときの最適な角度や、前記した刃先の研ぎ方などが解説されています。




性能比較検証

せっかくなので性能比較をしてみます。

私が以前からスジボリに使ってるハセガワトライツールのモデリングスクライバー TT-1。
かなり細いラインが引けるけがき針で、裁縫針をシャーペンに仕込んだり千枚通しを研いだ物なんかよりずっとキレ味が良くて使いやすいツールです。

Mr.ラインチゼルの説明にある「バリが出ずに綺麗なエッジが出る」の比較対象にされている製品のひとつかと思われます。

それ以外のスジボリツールとしては、おなじみオルファPカッター450も持っていますので、それも含めて実際にプラ板をけがいてみました。



線の美しさに関してはMr.ラインチゼルが突出してます。宣伝文句どおりバリが出ずに綺麗なエッジが出ました。
モデリングスクライバーは針なのでバリが線の外に発生します。Pカッターは切削面が荒れ気味で溝がV字断面になります。

線の太さに関しては、最も細いのがモデリングスクライバーで、次がMr.ラインチゼル0.2mm。ラインチゼル0.3mmとPカッターは同じくらい。ただしPカッターはV字刃なので強く彫るとそれに合わせて太くなります。Mr.ラインチゼルは溝がテーパーのない完全な凹型断面なのでどんなに深く彫っても太さが変わりません。これが最大の強みです。

使用感はMr.ラインチゼルが最も切れ味が良く、軽く引くだけでかんなをかけたようにスムーズにシューッと削れます。モデリングスクライバーは手にコリコリと振動が伝わる感じ。Pカッターは深く食い込むので一番引っ掛かり抵抗が強くてジャーッと削る感じ。



またMr.ラインチゼルは先端の鎌形刃が超小型なので、曲線のスジボリにもある程度までは追従できます。

少なくともPカッターは敵じゃないです。また使ったことないので確証はありませんがハセガワのラインエングレーバーやインターアライドのスジボラーのような大きな鎌形刃のスジボリ製品よりも曲面追従が良いかもしれません。




ただしその限界はやはり低く、こういう場面は刃先が針でどの方向にも削れるモデリングスクライバーがダントツに使いやすくて優れていました。(仕上がり自体はそんなに差はありませんでしたが・・・)

なので両者を上手く使い分けるのがベストでしょうね。

追記: 曲面用の廻し彫り専用刃が追加発売になりました。針状になっていてモデリングスクライバーと同じ形状刃のようです。



Mr.ラインチゼルが最も使えるのはパネルラインをより深く彫り直す作業でして、刃が小さいので溝にフィットしやすいし、軸がペン型なので従来の製品より細かい作業がやりやすいです。

0.3mmと0.2mmの刃で大体の模型に対応できますが、飛行機模型なんかの細かなパネルには太いように思えますので、0.15mm以下の刃も追加リリースして欲しいところです。

0.15mmと0.1mm替え刃の追加発売になりました。




短所

Mr.ラインチゼルを使っていて困ったのは、0.2mmと0.3mmの刃が見分けがつかないくらい似ているので、混ぜてしまうとどっちがどっちなのかわからなくなる事です。
左画像のように拡大すれば刃の厚みの差がわかるけど、肉眼ではまず見分けつきません。
刃の軸に規格が刻印されていれば便利なんですけどね。そういうわけで刃の管理はしっかり行ったほうが良いです。




新替刃0.15mmと0.1mmのレビュー (2010/02/17 追記)
新たに替刃の0.15mmと0.1mmが2月に追加発売になりましたので早速使ってみました。



線の太さは、
ラインチゼル0.1mm < モデリングスクライバー ≦ ラインチゼル0.15mm < ラインチゼル0.2mm < ラインチゼル0.3mm
の順。

ご覧のとおり新替刃2種も既存の刃同様バリやささくれのないキレイなラインが彫れました。
ただ0.1mmは格別に細いぶん刃の接地面積が小さいので、力を入れすぎるとラインの左右に盛り上がったようなささくれが出来ることがあります。何度か引いてみてわかりましたが力を入れ加減は他の刃より軽めにしたほうが良いですね。




新替刃も相変わらず既存の刃と形状が寸分変わりません。
厚みは0.3mmと0.1mmではさすがにハッキリわかるけど、0.2mmと0.15mmなんかは肉眼レベルではますます判別不可能かと。
なのでやはり刃の管理は各自きちんとしておく必要があります。とりあえず私は付属の替刃ケースに規格を記入したラベルを貼っておきました。




総括
このMr.ラインチゼルはかなり使える「当たり」のツールです。V字断面ではなく凹字断面のキレイな線を簡単に彫ることができます。
また替え刃方式を採用したおかげで刃のみの価格はそれほど高くないので、刃と柄が一体型のものを数種類買い揃えたり買い換えるより出費を安く抑えられます。

スジボリ用ツールと言えばマニア向け製品でスジボリ堂のBMCタガネが最強という話をよく聞きます。確かにすばらしい性能を持っているのでしょうが、その代わり取扱店が少なかったり大量生産ができないため品薄で手に入れにくいといった事情があり、全国どこの模型店でも取扱っていているクレオス製品でこれくらい高品質の物が出たのはありがたい事だと思いました。

クレオスによるとMr.ラインチゼルは大好評で、替刃の新製品が早いペースで追加発売になっています。売れ行きが良くて品薄状態にある本体も同時に増産したと聞いており、今後はある程度入手しやすくなるのではないかと思います。
間違いなくこの製品はスジ彫り用ツールの定番商品として認知されるようになるのでしょう。

(2010/02/17 追記分)
・ GT65 Mr.ラインチゼル
・ GT65-a Mr.ラインチゼル用替刃 0.3mm

・ GT65-b Mr.ラインチゼル用替刃 0.2mm


・ GT65-c Mr.ラインチゼル用替刃 0.15mm(2月発売)

・ GT65-d Mr.ラインチゼル用替刃 0.10mm(2月発売)


・ GT65-e Mr.ラインチゼル用替刃 0.5mm(6月末発売)
・ GT65-F Mr.ラインチゼル用替刃 廻し彫り用(6月末発売)

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