『奇想、天を動かす』 島田荘司

評価:★★★★★ オススメ!

浅草で浮浪者風の老人が、消費税12円を請求されたことで店の主婦を刺殺した。完全黙秘を続ける老人に対し、この事件には何かあると思った警視庁捜査一課の吉敷竹史は独自に捜査を開始する。そして、過去数十年に及ぶ巨大な犯罪の構図が明らかに……。
本格と社会派を見事に融合させた傑作。

吉敷シリーズはずっと読みたいと思っていたのですが、機会がなく、本書が初読でした。

傑作です。正に。御手洗シリーズでもお馴染みの、奇想天外な謎(ピエロの消失・歩く轢断死体・白い巨人)がどんどん明らかになっていく過程が凄く気持ちよかったです。毎回「こんなの合理的な解決ができるのか?」と思うのですが……できるんですよね。凄いです。所々に挿入される謎の文章も素敵です。ゾクゾクしました(笑)。

本格と社会派とを融合するという本書の試みですが、結構成功しているのではないかと思いました。読んでいて、日本の警察について疑問を感じてしまいました。

消費税導入時は私はまだ小学生になったばかりだったので、気付いた時には消費税があったという感じなのですが、当時はこんな風だったんだなあと思いました。

(ネタバレ)
悲しいですね、呂兄弟……。やるせなくなりました。

「あんたの奇想が、天を動かしたのだろう」という台詞は本当に名文だと思います。感動しました。タイトルはこういうことだったんですね……。読む前からいいタイトルだと思っていましたが、改めてそう思いました。

ラスト、感動しました。本当によかったです。お勧めです。


読書感想