『小説探偵(ノベル・アイ)GEDO』 桐生祐狩
評価:★★★☆☆
おれは三神外道(通称“げど”)、酒と小説をこよなく愛し、強姦と殺人以外は何でもやってきた、しがない広告屋だ。しかしおれには眠ることで小説世界に侵入できる「小説探偵」としての顔がある。
息子を探す人妻、耽美小説の超美形キャラなどの7つの依頼を解決していく連作集。ちなみに、それぞれのタイトルがその話で“げど”が侵入する小説のタイトルになっている。
この桐生さんという方は、名前を聞いたことがある程度で、どんな作品を書いているのか全く知りませんでした。いつもの私なら、こういう場合はまず新品で買うことはありません。でも、この「小説探偵」というアイデアに惹かれ、思い切って買ってみました。ところで、この方女性なんですね。ユカリは女性名ですが、字面から男性かなと思っていたのでちょっとびっくりしました。
感想としては、結構面白く、買って後悔したということはなかったです。7編収録されており、最後の2編は語り手である“げど”に深く関わってくる話になっているのですが、私はそれまでの話の方が面白く、楽しく読めました。おそらくこの2編に“げど”と共に深く関わってくるネンコの考え方が理解し難く(というか、理解したくないのかも)、若干不快だったからかもしれませんが……。
個人的に好きな話は第2話「妖蛾異人伝」と、第3話「青き追憶の森」です。
「妖蛾〜」はやおい小説で……終盤の登場人物の台詞でぶっ飛びました。引用→「(略)もともと、高校時代のやおい仲間だった。いつでもいろんな男同士のカップリングを想像しては楽しんで。」……いつでも!? いつでも!? そ、そうなんだ……みたいな(笑)。やおいの世界は私には理解し難いので、逆に面白かったです(笑)。いきなり“げど”が超美形男から迫られてたりして、かなり引きながら読んでましたが(苦笑)。余談ですが、私はやおいにはちょっとしたトラウマがあります……。見たい人はこちら。「黒死館かよ。小栗虫太郎に使用料払え」という台詞には笑ってしまいました。
「青き〜」はちょっとホロリとしました。