知的障害者のパソコン利用について

パソコン教室
平成14年度より群馬県の事業として、在宅の障害児・者が容易に使用できる情報機器を希望した施設に設置し、知的障害者の情報バリアフリーを促進することを目的に、パソコン教室を実施しました。、
パソコン教室 実施の総括
パソコン教室を実施してみて、知的障害を持った方がパソコンを使用するときの困難さを総括してみます。
  • 全般的に自己表現がにがて
    (言葉で表現するには、それなりの知能が必要)
    (操作して見たり聞いたりして楽しむもののほうが好まれる)
  • ペンや筆を用いたお絵かきとは勝手が違う、それが好きとは限らない
    (マウスで描くのは難しく、器用さが求められる)
    (タッチパネルでは、指でなぞるくらいでは描けなく、押す筆圧加減が難しい)
    (色塗り程度、落書き程度ならしやすい)
    (具体的な物のイメージができ、それを絵として表現しなければならない、相当知能が高くないと抽象画は描けない)
  • 文字入力のとき、文字を探すのがたいへん
    (インターフェイスが難しく、文字配列が憶えられない)
  • ゲームが好きとは限らない
    (社会性など、私たちが理解しているルールに沿うことができなければならない)
    (ゲームソフトによって、マウスだったりキーボードだったり、使うキーも違ったりして、統一性がないため混乱する)
  • インターネットとは何をするもの?
    (興味を持ち、さらにその興味(知りたいこと)を広げていくには、やはりそれなりの知能が必要)

  • 初対面の人には、何ができるか、何が楽しめるかを見出すことは難しい

パソコンそのものをめずらしく感じているうちは興味も示すが、次第に、対象者の興味を持っていることに沿った内容でないと興味さえ示さず、楽しむことが難しくなっていった。
しかし、自分の好きなことをやり続ける、パターンで楽しむ人にとっては、パソコンは快適なツールである。
これまでの実施内容 利用者の様子
H14.9
自己紹介カード作り
絵や文字を描く
その絵をアイロンプリントし、Tシャツを作る

文字の入力は、IMEパッドのソフトキーボードで行う。(小さく見えにくい)
マウスで絵を描くのは難しい。落書き程度ならできる。
持って帰れる作品ができた。

H14.12
ペーパークラフトによる、飛び出すクリスマスカード作り
自己紹介カード作り

あらかじめ用意したソフトをプリントアウトし、ひたすら切る。はさみで切ることも難しい。
キーボードでの文字入力がそれなりにできる人たちであったが、自分を紹介すること自体が難しい。

H15.3
自己紹介カード作り
絵を描いて、カレンダーを作る

デジカメの写真も利用する。
参加者の作業に加え、校正・仕上げに、さらに時間がかかる。

H15.6
暑中見舞いなどのカード作り

カードの大きさ、用紙の色に変化をつけることで、文字の大きさや色も自由に変える。

H15.9
外出先でデジカメを撮り、その画像に枠や装飾を入れたり、ペイントをする(プリクラ風)
それをカレンダーにする

いたずら書きをするだけでも、どうしたらいいのかわからない。

H15.12
クリスマスソングを一人ずつ歌って録音し、モーニング娘のような、みんなで歌ったようなものを作る
年賀状作り

素材集からカットを選ぶ。
カットは選べても、画面上のレイアウトを決めるのは難しい。
文章表現ができる人は、定型文以外で、あいさつ文を考える。

H16.3
町に出てデジカメを撮る

H16.6
これまでに撮り貯めた写真を使って、フレームを付けて紙製フォトスタンドを作る
写真としてプリントアウト
ミニアルバム・シール作成

画像で遊ぶ。

H16.9
町に出てデジカメを撮る

H16.12
年賀状・カレンダー作り

素材集からカットを選ぶ。
画像データの加工は難しい。レイアウトも難しい。

H17.3〜4
プロに似顔絵を描いてもらい、そのカットをアイロンプリント

参加者は絵を書いてもらうだけで、画像データの加工からプリントまで職員が行う。

H17.9
ぐんまこどもの国児童会館にて、インターネットを体験する



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