「魅惑の伏魔殿」
横浜市・野毛

横浜の古くからの繁華街である野毛。その野毛のはずれ、大岡川に面した一角に都橋商店街がある。商店街というと、八百屋があって肉屋があって、という具合に、個人営業の商店が軒を連ねている風景を想像するが、ここはそんな風情とは趣を異にする。

都橋商店街は、二階建ての飲食店ビルである。

道に沿って(というより、その裏にある大岡川に沿って)ゆるくカーブした建物はなんとも味がある。この中に、1フロアに30店、都合60の店舗がある。一店のスペースは、わずか6畳だ。

この都橋商店街は、露天商が多かった野毛の一帯で、1964年の東京オリンピックを機に、時の行政が前近代的な風景を全世界から訪れる客の目から隔離すべく、この川沿いに集めたのが始まりだと聞いた。


冒頭、「飲食店ビル」と書いた通り、現在、ここに並ぶ店のほとんどは飲食店だ。商店街という呼称とは不似合いな佇まいである。

「商店街」の名前は、当初、二階建てのうち、一階部分の出店は物販店しか許可されなかったという経緯による。

二階に上がると、看板にある「都橋飲食店街」の文字にその名残を見ることが出来る。つまり、一階部分は「商店街」、二階部分が「飲食店街」という棲み分けだ。

しかし、いつしかその縛りもなくなって、いまや物販を営む店の方を数えるのが難しいくらいに60店のほとんどを飲食店が占め、都橋商店街は飲食店ビルとなったという訳である。


40年以上の歴史を持つ、この魅惑の商店街「都橋」は、風格とも妖気ともつかないオーラを放ち、私の逍遥魂を掻き立てる存在であった。上の写真を見て察していただけると思うが、どの店も気軽に入れる雰囲気ではない。しかし、そうした中に、昨今の店にはない何がが隠れているはず。そんな「何か」を求め、常々探検したいと機会を探っていた。

一方、既にこの都橋への突入を果した人間がいた。うにさんである。彼は、その魅力に取り付かれてしまった一人である。

うにさんとは、かねてより野毛探検を申し合わせていたのだが、今年(2005年)6月のある夜、ついにそれが実現した。野毛に行く都合があったので、ダメ元でうにさんに探検の決行を打診したところ、意外にも都合がバッチリ合って、トントン拍子に話が決まった。

都橋商店街の入口を守る守衛所のような都橋交番の前でうにさんと待ち合わせ、さあ、突入だ。


いきなり2連敗
戦線立て直し

1軒目「スナック信(のぶ)」

共同トイレ前の作戦会議

2軒目「晩酌処 清し乃」

3軒目「にぎり本陣」

4軒目「舞」


2005.12.24