六角形のその姿は、大きな鉛筆がそそり立っているようでどことなくユーモラスでもある。

とはいえ、コンクリート造りの煙突は円筒形が多い中で、その多角形のラインは、シャープな印象を与える。その端正さは、山本社長の酒造りに対する姿勢に重なって見える。

無手無冠(むてむか)は、清酒と焼酎の兼業蔵である。

会社を株式会社に変える時、郷土のシンボルである清流・四万十川に因んで一旦は「四万十酒造」で登記したものの、すぐに「無手無冠」に登記変更したと伺った。

純米大吟醸に行くと皆同じになってしまう。地元の原料を使って地元の泥臭い匂いのする酒じゃないと地酒じゃない。きれいな酒を造らないと評価されないというのなら、「無冠」で結構。

そんな思いがこの社名に込められている。

そして煙突も、そんな蔵元の姿勢を誇らしく思うかのように、背筋を伸ばして立っている。

2006.02.06


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