157)表裏選対うごめく−参院選投票日 トップページ
各党の党首、最後の訴え……(各紙)。選挙運動は10日で終わった。しかし、投開票日のここからが本当の選挙だと考えている人たちがいる。候補者が作る「選挙対策本部」(選対)と「裏選対」にとっては、投票日も“運動”の期間だ。
一度だけ、選対事務所の奥の奥に足を踏み入れたことがある。プレハブ小屋の一室では、机の上に電話が数台置かれ、住宅地図、電話帳、名簿らしきもの、筆記用具などが無造作に置かれていた。
これは想像だが、おそらくこんな会話がなされるのだろう。
「あっ、社長さん?従業員への指示、よろしく」「理事長さんですか。動きはどうです?」「△△さん?投票に行ってくれた?」「□□さんとことおばあちゃんは、行っただろうか?まだなら車出すよ」「なに、野球の試合に行った?車で球場に迎えに行くから、投票してくれ」……。
公職選挙法では、選挙運動は投票日の前日までとなっている。また、法令で定める人数の弁当などを除き、運動員に金銭を渡したり、選挙運動に関して飲食を提供することを禁じている。選挙事務所も候補者本人と届出政党につきそれぞれ1ヵ所と決まっている。
だから、電話で投票日に特定候補者への投票を呼びかけたり、運動員に報酬を支払うと、公選法違反になる。裏を返せば、無報酬だったり、単に「選挙に行こう」と呼びかけるなら、違反にならない。
ただ、たとえば、創価学会員が「選挙に行こう」と電話してきて、「共産党に投票してということかな」と思う人はいないので、実質的には特定候補者への呼びかけになっているだろう。
また、選対とは別に「裏選対」というものがある。票の掘り起こしや確実な集票をするための実働部隊で、関連団体や業界、あるいはグループで組織される。これも「事務所1ヵ所」規制を潜り抜けるための「裏」なのだ。
これらの規制に違反した事件が最近でも起きている。
宮城県で労働組合幹部が民主党の候補者を支援するため、報酬を支払って電話作戦を効率的に実行させたとして公選法違反に問われた事件があった。また、神奈川県でも、自民党候補者の陣営が多数の違法な裏選対事務所を設置し、裏選対を取り仕切る運動員に現金を渡したとされる買収事件があった。
私個人としては、選挙運動を政治活動と区別して規制を強化しているのは変だと思っている。投票日に電話をかけて特定候補者に投票してとお願いするのもいいし、テレビや新聞で選挙情勢をガンガン伝えてほしい。今の公選法は有権者を無知で判断力がない人と想定し、選挙を公平で神聖な儀式のように考えている気がする。
東京都選挙管理委員会が選挙Q&Aで、インターネットによる選挙運動について答えている。こうだ。
「選挙運動にわたらない純粋な政治活動として、インターネットのホームページを利用することは自由にできます。
しかし、純粋な政治活動として使用するホームページであっても、選挙運動期間中に開設したり、又は書き換えをすることは、選挙運動の禁止を免れる行為に該当する場合には公職選挙法に違反します」
ねっ、不自由な感じでしょ。「純粋な政治活動なら自由にできます」だよ。インターネットの選挙運動を規制できると思っているのかね。11日の今日、「○○さんに投票しよう」「△△政党には絶対入れるな」なんてメルマガや携帯メールが無数に飛び交うだろうけど、どうするつもりなのだろう。
【2004/7/11】