断食道場奮闘記 日常生活への戻り道


断食道場奮闘記 6日目 回復食3日目
平成22年8月17日(火)


会社の書類に上司の承認が取れず、脂汗を流して困っていたら、「紫電改さん
っ」と誰かの声。
気がつくと、朝食を抱えた先生が、微笑んで立っていました。
まだまだ、俗世間から抜け切れていません。(笑)
恥ずかしいことに、爆睡して夢の中にいたようです。

朝食をいただく前に、計量を行います。昨日より0.5キロ、入所以来4.5キロの減
少となりました。
目標値の5.0キロにはあと少しですが、回復食に入りましたので、届くかどうか
微妙です。
入門時からの体重の推移をグラフにしてみます。本断食と回復断食の日に、あ
まり差が出ていません。原理的には、本断食の日の方が、減り方が大きいよう
に思うのですが、おそらく、空腹を紛らわすために、大量に水を飲み続けている
ことにも、原因があるのかもしれません。


さて、冷めないうちに朝食をいただきます。
お粥が六分粥になり、量も少し増えました。
塩分を含む、塩こぶが非常に美味しく、一切れずつ食べます。
断食道場に入ると、塩分が恋しくなります。やはり塩分は、人間の生命維持に
必要なんですね。
日課となった生駒聖天宝山寺にお参りに行きます。
やはり食事をしている身体は、パワーがあります。
一昨日までは、老婆にも階段で追い越される始末でしたが、今日は、ターボが
効いたように、ズンズンと坂道を登っていきます。調子に乗って、奥の院まで足
を延ばしました。すると、断食仲間の男性とばったり出会いました。この方は、
14日間の入所で、7日間の本断食をされています。痛風治療とのことです。日
焼して、筋肉逞しい方なんですが、かなりお酒が好きそうな感じです。
奥の院までの坂道は、まさにスピチュアル。高い樹木に囲まれた細い石段の両
側に、延々とお地蔵さんや不動明王が並びます。


このまま生駒山上まで足を延ばそうかとも考えましたが、断食明けで本調子で
無いことや、11時の昼食に下山が間に合うかどうか気になったので、断念しま
した。引き返す勇気も大切ですね。

生駒聖天宝山寺の売店で、お土産を買います。全部で六千円也。今までどん
だけもらいっ放しやねん!売店のお姉さんもびっくりしていましたが、まあ、出
獄祝いということで・・・。(笑)

11時、昼食が運ばれてきます。予想通り、ゆで卵の黄身の乗ったポテトサラダ
です。
こんな量の食事を待ち遠しく思い、大切のゆっくりと食べるようになった自分は、
昨年の断食依頼ですね。


今日も、生駒駅までケーブルカーで降ります。「何しょう。あっ散髪しよう。明後
日から、会社や!」
我ながら、間抜けな思考です。断食明けで、まだまだ頭は本調子じゃないよう
で・・・・。
白髪が気になる歳にはなっておりますが、さすがに白髪染めの染料の身体へ
の負担が気になり、散髪だけにします。顔剃りをしてもらって、椅子を起こしても
らった瞬間、一週間前の私とは、明らかに違う私が鏡に映っています。目がシ
ャープになり、顎が若干ですが・・・・(おいっ、誰や突っ込んどんのは!)尖ってい
ます。「嗚呼、断食万歳!!」

16時の夕食です。
今度は、ひじきと豆の煮物が沢山出て来ました。ポイントはコンニャクですね。
明らかに、大腸への負担が増してきます。


ネットを開いていると、こんなニュースが速報で出ていました。

イランサッカー界のスタープレーヤーで、「アジアのマラドーナ」、「テヘランの魔
術師」と評されるアリ・カリミ選手が、イスラム教で定めているラマダンまたはラ
マダーン(断食月)中の断食を、再三の警告にも関わらず、行わなかった理由
で、所属チームのエスティルアジンから解雇された。同チームがウェブサイト上
で発表した。イランの法律では、ラマダン中は、全てのイスラム教徒は断食の実
践が義務付けられており、同選手はこれに従わなかった。
尚、ラマダンは、イスラム暦に定められた一ヶ月間、飲まず食わずの断食を行う
が、日没から日の出までは飲み食い自由で、スーパーからは、買占めで商品
が無くなり、かえって太る人もいるとのこと。

気候が厳しい国だし、家でゴロゴロしているんじゃないので、気持ちは判るんで
すが・・・・・。

浜村淳の「さて、お電話です。」の声が聞こえてきます。そう、私のケータイの呼
び出し音は、浜村淳なんです。ちなみにメールは、「さて、お手紙で
す。」・・・・・・・。
電話をかけてきたのは、NHKのドキュメンタリー番組のプロデューサー。私の昔
の趣味の世界のことで、二回目の電話取材です。今回の番組に貴重な資料と
なったものを、既にネットオークションで数万円のお金に変えてしまったことが悔
やまれますが、あまりにもニッチな世界の話なので・・・。

19時、大先生の巡回です。「紫電改さん、明日までですね。おめでとうこざいま
す。」との言葉と一緒に、修了証と色紙を頂戴しました。色紙には、「断食療法
とは、体内の過剰栄養分の消耗と重要臓器に対する積極的安静と潜勢せる潜
在能力の活用と病気予防にある」と達筆で書かれてあります。また、修了証に
は、3日間の断食と書かれています。昨年は2日間だったので、この言葉が非
常にうれしく感じます。

今回の断食で感じたのですが、断食道場にいる間のアンダーカロリーな状態
は、頭脳の動きを極力落とし、体力の浪費を防ごうとします。また、我ながら、
人の意見に素直に従います。
戦争中、捕虜に満足な食事を与えずに強制労働をさせるのは、食事の欠乏に
より、満足な思考と体力を奪うことが、暴動や脱走の防御になるんですね。
また、修行僧に、肉食を禁じたり、韮や大蒜を禁じるのも、修行の邪魔となるん
ですね。
おそらく、断食しながら、思索をしても、なかなか新しい発想は出て来ないでしょ
う。ただ、自分にも他人にも素直になれることは確かです。


断食道場奮闘記 7日目 回復食4日目
平成22年8月18日(火)


長かった断食道場生活も今日で満願です。

朝食前の計量を行います。
昨日より、0.3グラム、入門以来4.9キロの減量となりました。
鏡の前で身体をチェックしますが、若干ながら顎回りがすっきりした感じがしま
す。
昨年は、この時点で6.5キロ落ちたので、本断食を1日増やした今年は、もう
少し落ちても良いさそうなものですが、もともとの目標は、退所後の継続的減量
と合わせて、10キロ落とすことなので、まずまずと納得しています。


朝食が運ばれて来ます。
一品増えて、ゆで卵が付いています。
お粥も七部粥なので、ほとんど普通のご飯と変わりません。


日課の生駒昇天宝山寺へのお参りですが、今日は、きちんと運動靴を履いて、
出かけます。
宝山寺と合わせて、そのまま生駒山頂まで登るためです。
生駒山へのハイキングコースは、宝山寺奥の院からわき道に逸れていきます。
コンクリートや玉石で整備されており、非常に安全で歩きやすいのですが、延々
と続く坂道は、かなり体力が回復したとはいえ、まだまだ本調子で無い私にとっ
ては、結構な負担です。

セミや蛙の声に混じって、法螺貝の音が聞こえ、世間とは全く隔絶した空間に、
静かな時間が過ぎて行く反面、明日からの仕事の段取りが頭をよぎります。

突然、大きくて不思議な空間が目の前に現われました。
近鉄電車経営のケーブルカー(近畿日本鉄道生駒鋼索線)の無人駅です。ホー
ムに上がると、なんと全てが階段。人家もお寺も何も無いこの場所に、何のた
めに作ったのか、全く不明、トイレすらありません。バイクツーリングで何度も北
海道等の無人駅で宿泊したことのある私ですが、流石にこの雰囲気には押さ
れてしまいます。ボーッとしていると、なんとケーブルカーがやってきました。私
に乗車の気配が感じられないのか、運転手は、ドアも開けません。謎の無人駅
と遊園地に向かう土派手なケーブルカーのコントラストが、より可笑しな空間を
作り上げます。
 

気を取り直し、ハイキングコース基い、過酷な階段地獄を登り続けます。
汗をかきかき、何とか生駒山上まで上りきりました。
そこには、レトロチックな生駒山上遊園地が広がります。なんと、この遊園地は
場内フリー入場で、門すら無いという、非常に大胆かつ太っ腹な経営を続けて
います。
特に、飛行機塔は、1929年の開園と同時に設置されており、日本最古の大型
遊具と言われている。この飛行塔は、太平洋戦争中には、海軍の防空監視所
として使用されたことから、軍事用の鉄資材として接収されなかった歴史を持ち
ます。



平日の朝の遊園地は、不思議な空間です。SF映画の未来都市にも見えます
し、廃墟のようにも感じます。
また、一瞬自分がおとぎの国に迷い込んだ、不思議の国のアリスになった気分
になるのは、断食で脳に十分なグリコーゲンが回っていない、危ない状態であ
るだけでは無いかもしれません。
 

さて、10時前です。11時の最後の昼食までに、道場に戻る必要があります。
下り坂で無理をして膝を痛めてもいけませんので、ケーブルカーを利用するため
切符を購入して・・・・。なんと、ケーブルカーのドアが閉まり、私をホームに置い
て、降りていきます。私に、ケーブルカーに乗る気配が無かったのでしょうか。
それとも、こういう役回りか゜私の人生の立ち位置かと、悩んでしまいます。

意を決して、登ってきた道を降りていきます。流石に下りは早いです。あっと言う
間に梅屋敷駅を横目に、生駒昇天宝山寺に到着。再度、お参りをして、道場に
戻りました。

昼食は、七部粥と茄子のおひたし、寒天。断食道場の最後の食事をゆっくりと
いただきます。
色々な、思いが頭に浮かびます。昨年の断食、その後の減量、今回の断食、
仕事の失敗・・・・、なんや、下に落ちることばっかりやがな!


先生に、最後のカウンセリングをいただきました。
断食中の人体維持には、大柄な成人男性で1500キロカロリー必要なんだそう
ですが、あまり動くと、そのカロリーが筋肉の維持に使われてしまい、身体の自
然治療に使われないそうです。ですから、今回の私は、ちょっと動きすぎで、もう
少し安静にしておいた方が良かったとのことでした。
ただ、下の苔に変化があり、最後に健康体の舌になったのは、デドックスがうま
くいった結果だそうです。
私的には、3日間の完全断食を経験し、少しでも精神的に成長出来たこと、目
標体重の5キロが落ちたので、良しとしています。

番外編

以下に断食中に食べたいと思ったものを羅列します。

盛りそばのだし汁
赤だしの味噌汁
草団子
つぶあん(こしあん、白あん、栗あんは不可)
ドライフルーツの中でも、赤い色のイチゴ、ブルーベリー、ブドウ等
汁の濃く多い甘い甘い親子丼
甘い汁を沢山含んだ大きなあげの入ったきつねうどん
ゴマ豆腐
甘いヨーグルト
コロッケの皮だけ
天理スタミナラーメン
牛丼つゆ沢
カラアゲの皮
ゆかり(梅干のしそを干して、粉にしたもの)
醤油の沢山かかったカツオ節

結論として、塩気、糖分(動物性じゃない)、油っ気を欲しがっているんですね。
焼肉なんて、全く興味が湧きませんでした。


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