断食道場体験記 回復断食


断食道場体験記 五日目 回復断食一日目
平成21年8月16日(日)

七日間の断食道場入門も、五日目となりました。
朝、春の海の館内放送で目覚めます。今日の朝食から、回復食が出ます。
正直、もっとやれる。いやもっと本断食をやっていたいという気持ちがいっぱい
で、朝食の嬉しさは少しもありません。
これまでの間、手元にお金があるので、他の断食道場では、本断食中も野菜ジ
ュースを飲むようですし、散歩の折、ポカリスエットくらい飲んでもよさそうなもの
でしたが、誘惑にも負けず、完全に井戸水しか飲んでいません。また、予備断
食二日目に、お隣が残している回復食のお粥を、残飯であっても食べてみたい
と本気が考えたくらいでしたが、今では、もっと本断食を続けていたいという感
じです。少しは、精神的に強くなったのでしょうか。

七時半、いよいよ朝食が運ばれてきます。
予備断食で最後に食べた、コップ一杯の重湯と梅干し一個です。
重湯を口にします。断食でガサガサになっている舌に、甘い味が広がります。
口の中で転がすように味わい、ゆっくり飲み込むと、食道を伝って、胃でスッと
消えていく感覚が判ります。
梅干しを少し千切って口に入れます。酸っぱい味が、口の中に広がります。そ
して、唾液がビックリするほど出てきます。
重湯より、梅干しの方が、有難い感じがします。事実、梅干しを大切に食べるの
で、重湯が先に無くなってしまいました。
梅干しをこんなに愛しんで食べるのは、私の人生には無いことです。紀州南部
の一個千円の金箔を散りばめた超高級梅干しを食べた時より、大切に食べま
す。 初めての回復食は、三十分以上の時間を要しました。不思議なことに満腹
感があります。

体重を量ります。入門時に比べ、5.3キロ減っています。本断食二日目が最も減
ったので、なおさら本断食をしていたいという衝動にかられますが、仕事がある
ので・・・・。
そう、断食明けは、いきなり仕事なんです。ちょっと不安・・・・・。

朝食後、日課となった生駒山の宝山寺に参拝に行きます。
なんと駐車場からクルマが溢れています。十六日は宝山寺の縁日なんですね。
出店が出ていので、見物しなから歩いていると、いきなりイチゴのドライフルーツ
のサンプルを渡されました! 断食中の私に、なんて酷いことをするのでしょうか!
食べたい! という強い衝動に駆られましたが、ポケットに入れて、持ち帰りまし
た。そらそうですよね。私が断食中なんて、出店の兄ちゃんは知る由もありませ
んよね。
階段を登ると、息切れがします。階段の踊り場ごとに立ち止まって深呼吸をしま
す。昨日まではこんなことなかったのですが、やはり身体にパワーが無くなって
きているのでしょうか。


十一時、昼食が運ばれてきます。
メニューは、昼食と同じ、重湯と梅干し。
もう、昼食?と感じたのは、今後は食べ物が食べられる余裕と、これまでの本断
食が辛抱出来たことの自信でしょうか、それほど食べ物への執着がなくなって
いるように思います。 入門二〜三日目頃は、テレビで食べ物が映っただけで、
胃腸が反応したのですが、今ではそんなこともありません。

また、ここでの時間の使い方を掴んだのか、あまり暇と感じなくなりました。長い
入院生活をしている人は、こんな感じなんでしょうか。
お通じは、昨日からありません。何度もトライしましたが、胃腸は完全にカラに
なっている様です。

今日は、二日ぶりにシャワーを浴びました。
ここでのシャワーは、隔日。頭髪は、本断食の間は洗うことが出来ないそうで
す。体力が低下しているので、配慮しているとのことです。
自宅にいれば、好きな時にシャワーを浴びたり、風呂に入ったり出来るのが、ど
んなに便利なことか、再認識させられます。


十六時に夕飯。
米粒の入ったお粥とひじきの煮物、そしてスイカ。 食事らしい食事です。普段な
ら、三分で食べてしまう量ですが、ひじきの煮物の中に入った大豆を一粒ずつ、
味わって食べることが出来る自分の変わり方に、関心しました。特に、ひじきの
煮物の醤油の味が、美味しくて堪りません。味のある食べ物は、実に七十二時
間ぶりです。


夕方、生駒の観光旅館街を散歩しました。宝山寺に続く参道なんですが、石段
の坂道になっています。古き時代の歓楽街の趣が残っていて、いい感じです。

おっと、大先生の巡回の時間、十九時が迫っています。早く戻らないと。汗!

今日見たDVDは、「愛の讃歌」と「同胞」の二本。両方とも、山田洋次監督、倍
賞千恵子主演の映画です。昭和の映画って、なんて骨太なんでしょう。泣かせ
てくれます。


断食道場体験記 六日目 回復断食二日目
平成21年8月17日(月)

今朝も、七時の館内放送の春の海は聞こえず、静坐の般若心経も布団の中で
夢うつつ。先生が、朝食を持ってこられて、初めて起きる始末です。
空腹感と同居することに慣れてしまい、お腹が空いていることは認識しているも
のの、あまり気にならなくなっています。

朝食は、お粥、玉葱の味噌汁、塩昆布。味噌汁が飲みたかったので、とてもあ
りがたいです。
断食道場の食事は、お腹が空いていることを除いても、とても美味しく出来てい
ます。普通の日本の家庭料理なんですが、ひとつひとつの料理に存在感があ
ります。塩加減も抑えてあると思うのですが、どうしてこんなに美味しく作れるの
でしょうか。

朝食後、お通じにトライです。昨晩、食べ物らしい食べ物を食べたので、お通じ
があると思ったのですが、ダメでした。別に、便秘癖があるわけではないので、
そのうち出てくるでしょう。

体重を量ります。六キロ減少。ずっと一日一キロずつ痩せていたのですが、昨
日から回復食を食べているので、減り方がゆるくなってきているようです。あん
なに少ない食事でも、体重に変化が出るんですね。
ここでの体重の減り方は、食事を断っていても、夜中に減るんです。朝から夕方
の間に何度体重を量っても、体重は減らないんです。

断食中、髭や爪があまり伸びないことにも気がつきました。栄養が、違うところ
に行っているんでしょうか。
入門中、土田晃之みたいな髭をはやしてやろうという目論見は崩れてしまいま
した。

日課となった、生駒山の宝山寺に散歩に出かけます。回復食を食べているから
か、昨日と違って、今日は息切れはしません。
お参りをの帰り、土産物屋を冷やかしましたが、完全に食べ物に対する興味が
失せてしまっている自分に気がつきました。三度食事が当たるという余裕でしょ
うか。

道場に戻ってから、インターネットラジオを聞きます。お気に入りは、上沼恵美
子、つボノリオ、坂東英二、浜村淳、道上洋三。断食道場にパソコンを持ち込ん
だのは正解でした。

十一時、昼食が運ばれてきます。
「あっ!」と思わず声を上げました。ポテトサラダにゆで卵の黄身が乗っていま
す。断食道場入門以来、初めての蛋白質です。
お粥も八分粥となり、量も増えています。それと海草の和え物。少しずつ箸でつ
まんで、ゆっくり食べます。よく、ダイエットで、五十回噛んで食べると、満腹感が
あって良いという話をききますが、少しずつ食べるのも、良い方法かもしれませ
ん。
「あーっ美味しかった!」入門以来、初めて、心からこんな声を上げました。

十五時、シャワーの声がかかります。昨日入ったんじゃないかと思うのですが、
もう回復食二日目なので、いいんだろうと考え、シャワーを浴びました。昨日は
体力に自信がなくて、頭を洗わなかったのですが、今日は念入りに洗います。
入門以来気続かなかったのですが、風呂場に真鍮製の蛇口がいくつか付いて
います。大正時代からの建物なので、良く言えばナチュラルアンティークです
ね。

十六時、夕飯が運ばれてきます。
八分粥、冬瓜のあんかけ、しらすです。醤油の味が堪りません。
この食事を含め、あと三食。私には明らかにアンダーカロリーで、この食事をし
て、ゴロゴロしているだけでも、体重は減っていきます。 最初は、十六時に夕
飯!と驚きましたが、よくダイエットの秘訣として、二十時以降は食事をしないこと
と聞きますので、夜食の習慣をストップすることになるのかもしれませんね。

十八時、静坐に参加します。
六日間、毎日、般若心経を唱えていると、声も出るようになってきました。
多分、静坐への参加もこれが最後です。

十九時、大先生の巡回です。「男の放課後さん、明日までですね。おめでとうこ
ざいます。」との言葉と一緒に、修了証と色紙を頂戴しました。色紙には、「断
食療法とは、体内の過剰栄養分の消耗と重要臓器に対する積極的安静と潜勢
せる潜在能力の活用と病気予防にある」と書かれてあります。確かに、生まれ
てこのかた四十四年、一日も休ますことの無かった胃腸を二日も完全休養させ
たことは、画期的であったと思います。

断食道場体験記 七日目 回復断食 三日
目 最終日
平成21年8月18日(火)

例によって、私は静坐に出席せず、布団の中で爆睡していました。
入門当時に比べ、随分と図太くなったものです。朝食を運んでいただき、初めて
起きる始末です。
さあ、今日は満願の朝です。我ながら、よく頑張りましたというより、よく辛抱し
ました。この物質に囲まれた現代社会において、断食道場で出されたもの以外
は、一切口にしていません。入門当初は、散歩に出かけた時は、見る物全てが
美味しそうに見えましたし、自動販売機のオレンジジュースの見本を見ただけ
で、甘い味を思い出したものでした。道場から出たら、何を食べようか、そんな
ことばかり考えていたのですが、今では自分でも驚くほど、食べ物に対する執
着がありません。
まあ、明日から会社に行って、バタバタしていたら、すぐに戻ってしまうように思
うのですが・・・。


朝食は、八分粥、キャベツの味噌汁、海苔の佃煮、ゆで卵と四点です。
味噌汁の具がこれまでに無く多いこと、海苔の佃煮の醤油の味がとても美味し
いです。
そして、何よりも、ゆで卵の塩。塩を舐めると頬が痛くなるほど美味しいのです。

日課となった生駒山 宝山寺に散歩に行きます。もともと田舎育ちの私です
が、生駒山の緑やお寺が神々しく感じます。断食をすると、形而上の精神的変
化があると聞きますが、私のような二日の本断食では、そんなことはあり得ま
せん。単に、道場生活をやり遂げた満足感と、今日で最後という気持ちの問題
でしょう。
夜景で有名な生駒ドライブウェイの坂道で、高校のラグビー部が何度もダッシュ
しています。若いエネルギーに満ちた彼らが眩しく見えます。

体重を量ります。事実上の最終計量です。6.5キロ減。やはり昨日からの回復食
ではあまり減少しません。おそらく、飢餓となった内臓が、一生懸命に入ってき
た食べ物を消化して、エネルギーに変えているんでしょうね。

退所準備のため、荷物を整理し始めます。
いつもの旅行と違って、六連泊でしたから、カバンから出ている品物が非常に
多く、結構な作業です。最初は、ちょっと抵抗があった、この古びた施設も、慣
れてしまえば、いい感じです。

十一時、最後の食事となる昼食が運ばれて来ました。
お粥、高野豆腐とふきの煮物、きゅうりの酢和えの三点です。ボリュームがある
ように感じましたが、このお粥は0.4合のお米なんだそうです。無理の無い減
量の方法は、夕食をお粥にすることという先生のおっしゃる意味が良く判りまし
た。

昼食後、最後の荷物をまとめ、先生にご挨拶申し上げます。。「我々中年男性
よりも、若い女性が多いですね。十分にスマートなのに。」とお話ししていたら、
ダイエット目的の方ばかりでなく、アトピー性皮膚炎の体質改善や鬱病の方も
多いそうです。確かに、何もせず、何も食べずボーッとしていたら、体質も改善
されますね。私も30日の入門でも平気だと感じました。まぁ、仕事をクビになっ
たら、参ります。(笑) 

「十日くらいは、魚中心の生活にして、肉類は、その後にしたほうが、リバウンド
が少ない。」とのアドバイスをいただきました
帰りは、大阪から来たOLと、生駒駅までタクシーのシェアリング。5キロ痩せた
とのことで、目をキラキラさせています。彼女もそうなんですが、私も、来たとき
より痩せているのに、元気なことが不思議です。これが断食の効果なんでしょう
か。また、下山して、炎天下の街を大きな荷物を抱えて歩いていても、あまり暑
さを感じません。7日間、一切冷房に当たっていないことで、身体が慣れてしま
っているんでしょうか。
入門当初は下山したら、何を食べようかと考えていたんですが、昼食を食べた
こともあり、興味が湧きません。寄道することなく、まっすぐ帰宅しました。

帰宅した日の晩御飯、ご飯を少しずつ箸に乗せて、ゆっくり食べる私の変わり
様に、家族が不思議そうな顔をして見ていたのが、妙に可笑しくなりました。

さぁ、明日から会社です。職場の同僚のりアクションが楽しみです。

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