爵位の消滅


長い歴史と伝統を誇る爵位も消滅することがあります。爵位が消滅するよくある理由は以下の通り。
 
・革命や政変により爵位が廃止された。
・君主によって爵位を剥奪された。
・君主に爵位を返上した。
・爵位の相続人がいなかった。
 
しかし、上記以外の意外な理由で爵位が消滅することがあります。その理由は王位継承(帝位継承)。爵位はその領地と共に君主によって臣下に与えられます。ですから有爵者が王位(帝位)を継承すると、その爵位と領地はそれを与えた君主に戻され、爵位は消滅します。このことを「爵位が王冠にマージされる」、英語では「Merged in the Crown」と言います。通常、爵位が王冠にマージされるとその爵位は消滅しますが、由緒ある特別な爵位などは君主一族で保持される場合もあります。また、一旦王冠にマージされて消滅した爵位であっても、君主によって再度同じ爵位が創設されることもあります。以下にその事例を示します。

<事例1:ヨーク公>
・ヨーク公(第1期創設:1384年〜1461年)
初代:エドムンド・オブ・ラングリー
第2代:エドワード・オブ・ノリッジ
第3代:リチャード・プランタジネット
第4代:エドワード・プランタジネット

ヨーク公エドワード・プランタジネットが国王エドワード4世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・ヨーク公(第2期創設:1474年〜1483年)
初代:リチャード・オブ・シュルーズベリー
相続人がいなかったため断絶。

・ヨーク公(第3期創設:1494年〜1509年)
初代:ヘンリー・テューダー
ヨーク公ヘンリー・テューダーが国王ヘンリー8世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・ヨーク公(第4期創設:1605年〜1625年)
初代:チャールズ・ステュアート
ヨーク公チャールズ・ステュアートが国王チャールズ1世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・ヨーク公(第5期創設:1644年〜1685年)
初代:ジェームズ・ステュアート
ヨーク公ジェームズ・ステュアートが国王ジェームズ2世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・ヨーク・オールバニ公(第1期創設:1716年〜1728年)
初代:アーネスト・オーガスタス
相続人がいなかったため断絶。

・ヨーク・オールバニ公(第2期創設:1760年〜1767年)
初代:エドワード・オーガスタス
相続人がいなかったため断絶。

・ヨーク・オールバニ公(第3期創設:1784年〜1827年)
初代:フレデリック
相続人がいなかったため断絶。

・ヨーク公(第6期創設:1892年〜1910年)
初代:ジョージ
ヨーク公ジョージが国王ジョージ5世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・ヨーク公(第7期創設:1920年〜1936年)
初代:アルバート
ヨーク公アルバートが国王ジョージ6世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・ヨーク公(第8期創設:1986年〜現在)
初代:アンドルー

<事例2:グロスター公>
・グロスター公(第1期創設:1385年〜1397年)
初代:トマス・オブ・ウッドストック
国王に対する大逆罪の審理中に死亡したため相続を許されず断絶。

・グロスター公(第2期創設:1414年〜1447年)
初代:ハンフリー・オブ・ランカスター
相続人がいなかったため断絶。

・グロスター公(第3期創設:1461年〜1483年)
初代:リチャード
グロスター公リチャードが国王リチャード3世となり爵位は王冠にマージされ消滅。

・グロスター公(第4期創設:1659年〜1660年)
初代:ヘンリー・ステュアート
相続人がいなかったため断絶。

・グロスター=エディンバラ公(1764年〜1834年)
初代:ウィリアム・ヘンリー
第2代:ウィリアム・フレデリック

相続人がいなかったため断絶。

・グロスター公(第5期創設:1928年〜現在)
初代:ヘンリー
第2代:リチャード

 


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